畜産農家向け
鶏 回答のページ
※新しいものほど上にあります。
| 鶏 | ||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Q8 消費者は何を基準にして卵を購入していますか。(H23年1月) <A8> 卵に関するアンケート調査をいろいろな機関が行っていますが、卵を買うときの選択基準については、「新鮮度を基準にしている」人が約7割との結果が得られています。年代別では、年齢の高い人ほど新鮮度を重視する傾向があるようです。これは、最近の「健康・安全」志向を反映したものと考えられます。 昔は卵の新しさを、卵の殻が"ザラザラ"していることで筆者なども判断していましたが、近頃の卵は大半が"スベスベ"しています。 卵の殻は、表面がクチクラというタンパク質の薄い膜でおおわれていますが、流通期間中にこすられると″テカテカ″してきます。つまり″ザラザラ″が″スベスベ″に変化していることが古い卵とされたのでしょう。 しかし、現在は、プラスチック製のトレイに鶏卵を立て固定して輸送し、パック詰めされます。このため、卵表面がこすられることはほとんどなく、唯一、卵表面を温水で洗浄する過程で、表面の汚れとともにクチクラも幾分かはがれることが、殻が"スベスベ"になる理由として考えられます。また、近年産みたての卵でも、″ザラザラ″というほどのことはなく、品種による変化も小さいものとなっています。 現在、新鮮度を示すものに、卵の賞味期限があり、これは産卵日を起点として、生食が可能な期間とされています。通常、鶏卵は内部が無菌状態で生まれますが、4千個に一個程度からサルモネラ・エンテリティディスが検出された報告もあり、万が一のリスク対策としての意味も含めサルモネラ菌が常温下で大量増殖が始まるまでの期間を賞味期限としています。 日本では、行政、生産者、取扱(販売)業者、消費者が一体となって食品衛生に取り組んでおり、農場での衛生対策の徹底、食卵の冷蔵販売、賞味期限の表示、購入後の冷蔵保存の徹底が図られています。このことから、最近では卵によるサルモネラ中毒の発生は10年前の十分の一程度に減少しています。 また、殻の厚さも消費者に重視されています。当所が各市町で行っている卵の共進会で殻の厚さを計測したところ、最近は0.4mmを越えるものが多くなってきました。このことは、鶏の飼料の改善や品種改良によるものと思われます。しかしながら消費者の中には「殻が薄い」と感じている人はまだまだ多いようです。 新鮮さと殻の厚さを求めている県民に向けて、今一度、適正な飼養管理に気を配り、生産した卵の鮮度や殻の厚さに目を向けていただければ幸いです。 Q7 アニマルウェルフェアの考え方に対応した採卵鶏の飼養管理指針とはどのようなものですか? (H22年1月) <A7> 欧米を中心に、アニマルウェルフェアの議論が進められる中で、動物福祉の先進国であるEUでは、2012年以降、産卵鶏のバタリーケージによる飼養が禁止となっています。 国内でも、アニマルウェルフェアについての検討が行われており、2009年3月に「アニマルウェルフェアの考え方に対応した採卵鶏の飼養管理指針」が、社団法人畜産技術協会より公表されました。 ![]() 2005年度より、本県畜産技術センターにおいても採卵鶏の福祉的飼養方法についての試験を実施しております。研究成果は、ホームページでも公開しておりますので参考としてください。 Q6 「鶏卵表示の適正化について」検討されていると聞きますが、その内容はどのようなものですか?(H21年1月) <A6> 1.検討経過について 公正取引委員会(公取委)から平成16年11月に、「鶏卵の表示の適正化について」の要望が出されたことを受けて、鶏卵関係10団体で組織する中央鶏卵規格取引協議会で検討が重ねられ、平成21年9月に「鶏卵の表示に関する公正競争規約案(規約案)」が公取委に提出されました。今後、公聴会を経て規約が認定されると、官報への告示、公正取引協議会の設立、規約の施行へと進んでいくこととなります。 2.規約案の概要について 鶏卵の表示に関する公正競争規約とは、公取委の認定を受けて、鶏卵業界自らが自主的に定める取引ルールのことで、不当景品類及び不当表示防止法第12条を根拠としています。規約案では、必要な表示項目、禁止事項などが細かく規定されており、消費者に誤認を与えないような基準が設けられています。 規約案での表示に関する規定の抜粋は、以下のとおりです。 (1)必要表示事項は、食品衛生法・JAS法等の既存の法律に基づき、名称、原産地名、内容量、等級、賞味期限、保存方法・使用方法、採卵者又は選別包装者の氏名又は名称及び住所の8項目。 (2)栄養強化卵は22種類の栄養成分(蛋白質、食物繊維、亜鉛、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、葉酸、ヨウ素、DHA、αリノレン酸)の基準値を設け、表示する場合は、成分対比データ(科学的な実証に基づく)を記載する。 (3)その他の特定用語については、鶏や鶏舎などの安全・衛生対策、非遺伝子組み換え飼料とポストハーベストフリー、平飼い、放し飼い、地卵、有精卵、特選、天然などの表示を規定。 規約案では、事実関係が正しければ表示できる仕組みとして、業界のコンセンサスが得られ、消費者にも理解される合理的な定義として、表示項目が設定されています。 Q5 最近話題になっている「国産鶏の利用促進」とは何ですか。(H20年1月) <A5> 高病原性鳥インフルエンザは、中国や東南アジアから、我が国の原種鶏の主要輸入元であるEU諸国にも広がっており、2006年には初生ひなの輸入が一時ストップする事態が起きました。ご存じのように、採卵鶏・肉用鶏ともに、現在国内で飼養されている鶏は海外の原種鶏に大きく依存しており、高病原性鳥インフルエンザに限らず何らかの事態で輸入ができなくなる危険性が増えています。そのような時に緊急的に対応できるのが国産鶏です。 そこで、国内に原種鶏や種鶏を確保し、それらから生産された採卵鶏や肉用鶏で生産をしようという活動が広がっています。食料の安定供給を確保するとともに、自給率向上や地産地消ならぬ国産国消、原種鶏までさかのぼることができるトレーサビリティ等、食の安全・安心へもつながっていきます。 特に採卵鶏では、国産鶏でも外国の鶏種にほとんど遜色のない水準に達しています。肉用鶏では在来鶏を基礎とした改良等で、特色のある鶏が作出されています。また、外国鶏種には無い卵肉兼用といった鶏種も作られています。 Q4 卵黄色は濃い方が栄養価も高そうであるというイメージがありますが実際に栄養価に違いはあるのでしょうか?(H19年9月) <A4> 消費者の中には「卵黄色が濃い卵は栄養価が高い」と理解をしている方が多く、また調理 したときに卵黄色の濃い卵の方が色鮮やかに仕上がることから、色の濃い卵黄への嗜好が多いのが現状です。しかし、ビタミンやミネラル、脂肪酸などの機能性成分を強化している特殊卵で、消費者の購買意欲の増進をねらうために濃い卵黄色としているような特別な場合を除き、一般の市販配合飼料で生産された卵では卵黄色の濃淡と栄養価にはほとんど関係がありません。 卵黄は卵の中で最も色素に富んだ部位でありますが、それでも色素含量は卵黄1個に約0.4mgとわずかしかありません。卵黄色の濃い卵黄は、若干β-カロチンも多いのでビタミンAの量が多くなると思われますが、栄養的に差が出るほどの含有量ではありません。 卵黄がその名の通り「黄色」であるのは、卵黄中に「カロチノイド」という脂溶性色素が含まれていることに起因しています。鶏はカロチノイドを体内で合成することはできないため、色素の源は主に飼料に由来しています。そのため、飼料に含まれるカロチノイド(特にキサントフィル類)の種類や含有量によって、ある程度の卵黄色のコントロールが可能となります。 一般に配合飼料では、黄色系色素として黄色トウモロコシやコーングルテンミール、アルファルファ、マリーゴールド等を、赤色系色素としてパプリカやトウガラシ等を原料として添加配合し目的に応じた卵黄色を作り出すことができるように飼料設計されています。 個々の経営において卵質改良の方向を決定するため、消費者や販売先の卵黄色についての嗜好を把握しておくことが重要となります。これから秋の共進会・品評会のシーズンとなりますので、今後こうした機会での一般消費者の声も参考として、消費者に好まれる鶏卵生産に取り組んでください。 Q3 鶏ふんのエネルギー利用について教えて下さい(H19年1月) <A3> 現在、県内の養鶏農家での鶏糞処理の方法はコンポスト化が主流となっており、製造された発酵鶏ふんは耕種農家等に販売していますが、定時・定量的に流通しにくいことと処理コストの削減を図るために、鶏ふんを乾燥させるだけではなく、燃料にリサイクルする「鶏ふん燃料化」の技術に興味を持つ養鶏農家の方も現われております。 既に宮崎県のN株式会社では、鶏ふんをボイラーで燃焼させ、発生した蒸気で発電し、自社利用後、余剰電力は九州電力に売電し、焼却灰については肥料や肥料原料として販売しています。 また、平成15年度には同じく宮崎県川南町において、鶏ふんを利用した発電を行うため、地元の養鶏農家などが共同で「M株式会社」を設立し、平成17年度から鶏ふん焼却発電施設の営業運転を開始しました。この背景には平成11年11月に制定された「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」等が大きく影響しており、いずれも順調に稼働し、地域住民からも高く評価されているところです。 しかしながら、神奈川のように混住化が進み土地条件が厳しい環境の中では、発電施設までの設置は難しいところですが、「給湯エネルギー」としての利用は考えられます。石油価格の高騰による生産コストに占める水道光熱費の上昇傾向と、発酵鶏ふんの販売に対する不安感から、鶏ふん給湯ボイラーの技術導入を検討している方も散見されています。 鶏ふんのエネルギー利用については、県内ではまだ事例はありませんが、給湯エネルギーとしての利用は、鶏ふんバイオマス利活用としての可能性のある、注目される技術の一つであると考えられます。 Q2 採卵鶏の改良増殖目標について教えてください。(H17年9月) <A2> 平成17年3月に新しい家畜改良増殖目標が示されました。今回の家畜改良増殖目標は、平成27年度を目標年次としたものです。採卵鶏の能力に関する目標数値(全国平均)については、表のとおりで現在(平成14年度)と比較して数値には大きな差はないと思われます。しかし、数値には盛り込まれない「わが国の消費・流通ニーズに対応した品質の改良」や「国産鶏の改良増殖」などが、今後は重要な課題であるとされました。 本県でも国産鶏の改良事業を実施しておりますが、国(現独立行政法人家畜改良センター)、都道府県及び民間の広域的な連携を強化して国産鶏の改良を進めていくことが今後ますます必要であると思われます。
Q1 強制換羽のストレスによるサルモネラ症の発生が心配なのですが。(H16年9月) <A1> 強制換羽は鶏に対してストレスがかかることからサルモネラ症など病気への抵抗力が低下するといわれ、近年その実施が抑制されている傾向があります。ストレスのより少ない強制換羽の方法として5〜7日間程度の短期間絶食法やこれを反復する方法等も実施されていますが、ストレスが少ない反面、効果の持続時間も短くなる傾向にあるようです。効果の面からみれば、現状では従来の絶食法がより効果的であると思われます。 強制換羽は鶏にかなりのストレスが加わることから、実施する時は、どうしてもサルモネラ等の病気発生のリスクを伴うことになります。基本的なことですが、農場に病気が発生している時やサルモネラ菌が確認されている時は実施を控えることが必要です。また、事前にワクチネーション等を済ませ衛生対策をしっかり行うとともに、実施中は鶏をよく観察して病気の発生にも注意しましょう。 |
←普及情報のページにもどる
にもどる