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質問と回答
経営・その他共通

Q11 エコフィード利用畜産物認証制度とは? また、認証を受けるメリットはなんですか?(H24年1月)
<A11>
 エコフィード(ecofeed)とは、「環境にやさしい」(ecological)や「節約する」(economical)等を意味する「エコ」(eco)と「飼料」を意味する「フィード」(feed)を併せた造語です。醤油粕や焼酎粕等の食品製造副産物、売れ残りのパンやお弁当等の余剰食品、野菜のカットくずや非可食部等の調理残さ等、を利用して製造された家畜用飼料を指します。
 (社)配合飼料供給安定機構は、平成21年4月に「エコフィード認証制度」を開始し、その中で、国内で発生した食品廃棄物のうち、再生利用されるものを「食品循環資源」、また、その食品循環資源のうち、米ぬか、ふすま等の古くから飼料として利用されているものでなく、今後更なる飼料化の推進が期待される食品循環資源を「推進食品循環資源」と定義しています。エコフィードとして認証されるには、(1)製品中における国内で発生した食品循環資源の割合が風乾物(水分含量おおよそ10〜13%)重量比で20%以上であること、かつ、(2)製品中の推進食品循環資源の割合が風乾物重量比で5%以上であること、という2つの要件を満たしていることが必要となります。
 また、平成23年5月から、(社)中央畜産会により前述の制度で認証されたエコフィードを給与し、その家畜から得られた畜産物及びその加工食品を認証する「エコフィード利用畜産物認証制度」を開始しています。
 (認証を受けるメリット)
 エコフィード利用畜産物認証制度は、消費者の方々に環境に優しい資源循型畜産の取り組みから生産された畜産物であることを広く理解して頂くことを目的にしています。具体的には、認証エコフィードを給与して生産された畜産物やその加工食品を「エコフィード利用畜産物」として認証し、「エコフィード」の商標と認証マークを表示することができるようになります。
 このことから、期待されるメリットは以下のとおりです。
  製品の差別化、ブランド化への可能性
 消費者の認知度が高まり、生産者や流通業者など関係業者の環境や資源循環等に対する姿勢や考えをアピールでき、商品の特徴づけに役立ちます。さらには、エコフィード利用畜産物のブランド化への可能性が広がります。
  エコフィード利用の普及・拡大
 消費者の理解が広がれば、畜産物の製造、流通、販売、消費の各段階の関係者がエコフィード利用畜産物をより一層、製造、流通、販売するようになり、エコフィード利用普及が推進され、畜産農家の低コスト化につながる可能性があります。
  食品廃棄物利用のイメージアップ
 エコフィードの原料の供給元である食品関連産業のより一層の理解や協力が得られるようになり、エコフィードの製造・販売業者だけでなく、エコフィード利用畜産物の生産・製造や流通・販売に携わる者全体のイメージアップにつながります。

Q10 震災が発生して、自然災害の恐ろしさを痛感しました。今何を準備しておけばいいのでしょうか?(H23年6月)
<A10>
 東日本大震災・・・日本の歴史に刻まれる未曽有の大災害。地震、津波そして原発事故、災害はいまだ継続中と言わざるを得ません。本県でも生茶から規制値を上回る放射線が検出され、産地の動揺は計り知れません。また3月中に行われた計画停電では畜産農家のみなさんにも多大な影響があった事とお察し致します。畜産は装置型の農業であり、大きな建物施設と作業機械、精密な機器を必要とする農業です。防災対策は多様にありますが、特に留意しなければならない項目は、(1)停電、(2)断水、(3)交通、(4)通信、(5)畜舎等の損壊、であると思われます。中でも(1)停電と(2)断水に対する対策が営農継続のために極めて重要です。 そこで、今回は自然災害発生時における停電対策に焦点をあて検討いたしました。
1 電力の現状把握
 まず、ご自分の経営の中で電力がいつ、どこで、どのように使われているか把握しましょう。
 電力使用量が最大となる夏期における酪農(50頭規模)をモデルとして検討しました(表1)。
   表1 必要電力の調査表(牛舎)
  必要電力の調査表(牛舎)
 夏季は暑熱対策のために、400Wの扇風機が5頭に1台24時間回りっぱなしになります。これが、表2のように一日当たりの電力量の約40%を占めます。そして図1のように搾乳時に合わせて稼働する施設機械が、必要電力量のピーク(最大値)を引き上げます。
   表2 消費電力量の推移と1日の合計(暑熱時)
  消費電力量の推移と1日の合計(暑熱時)
   図1 消費電力の推移(牛舎)
  消費電力の推移(牛舎)
 次に、養豚・養鶏・肉牛について、モデルとして当所の一部の畜舎を調査致しました。
 養豚では分娩舎関係が一番多くの電力を消費し(全体の3/4、なかでも子豚保温用ヒーターが分娩・育成舎の約60%を占めています(表3)。
   表3 消費電力の1日合計と割合(分娩・育成豚舎 分娩房22)
  消費電力量の1日合計と割合
 養鶏では、開放舎(表4)でも無窓舎(表5)でも送風関係の機械が80%以上を占めています。ただし当所の場合、照明の鶏舎内照明のほとんどがLED化されており(同じ照度で通常電球の1/10の電力量)、もしこれがLEDでなければ10%から40%消費電力が増加します。
   表4 消費電力の1日合計と割合(開放鶏舎 3,500羽)
  消費電力量の1日合計と割合
   表5 消費電力の1日合計と割合(ウインドレス鶏舎 2,500羽)
  消費電力量の1日合計と割合
 肉牛については当所の場合、扇風機の電力がほとんどを占めていました。
 各畜種とも家畜排せつ物に関する処理施設があります。施設・機械によっては多くの電力を必要としますので注意が必要です(例:牛70頭用回分式浄化槽の一日の消費電力67kW時)。
2 機械・設備の優先順位
 まず、不必要な施設機械の有無を点検しましょう。必要以上に詰め込まれた冷蔵庫など畜舎の片隅にありませんか。そして、優先順位をつけましょう。「水の確保」は生命の維持に最も優先されるもの、井水を水源としている場合、井戸関係の電源の確保が最優先となります。次に酪農の場合では搾乳関係の施設機械、扇風機、バーンクリーナーという順です。それぞれの経営の中でご検討ください。
3 節電の工夫
 作業の都合で同時にたくさんの機械を動かすことが見受けられます(表1、図1)。機械の稼働タイミングをずらす事によって最大電力量(ピーク)を低下できる事がわかります。図1では搾乳ポンプとバーンクリーナー、バルククーラーが同時に稼働しています。これを、それぞれ可能な限りずらす事によって、最大電力量(ピーク)を80%程度に抑えられます。また、少ない容量ではあっても長時間作動する性質の施設機械は消費電力量の多くを占めます。夏期の送風機や養豚の子豚の保温機は長時間稼働することが多く、扇風機の効率的な使い方や、電力に頼らない暑熱対策によって節電する事も可能です(暑熱対策については「神奈川畜産情報6月号」あるいは当所のホームページを参照してください。
4 自家発電機
 長時間の停電発生時、必要最低限の電力は自家発電機に頼る事になると思います。高価な機械ですので安易な投資は控えるべきですが、不測の事態への備えとして検討しておく必要があります。なお、導入に当たっては、専門的な電気工事が必要になります。自家発電機の容量も含め、専門の業者にご相談ください。また、制度資金やリース事業も活用できます。詳細については当所普及指導課か地域農政推進課にお問い合わせください。
 今回の報告はあくまでモデルの提示としてご理解ください。電力量の状況はそれぞれの経営で異なる結果になります。ぜひ一度、消費電力量を調査していただきたいと思います。
 今回の報告で作成した調査票は当所のホームページにファイルとして用意しています。参考にご利用ください。畜舎、環境施設の電力調査

Q9 農場HACCP認証基準とは?その畜産農家にとってのメリットとは?(H22年9月)
<A9>
 農林水産省は平成21年8月に、HACCPを基礎とした衛生管理を実施している農場を認証する基準として、「家畜農場における飼養衛生管理向上の取組認証基準(農場HACCP認証基準)」を公表しました。
 内容は2部に分けて構成され、第1部は各家畜共通の認証基準について示し、第2部は畜種別に、畜舎や家畜の取り扱いなどの「畜種別衛生管理規範」を例示しています。
 この基準に適合しているかどうかは、第三者によって検証が行われ、検証の結果、適合していると認められる農場は認証を取得することができます。
 (畜産農家にとってのメリット)
 1.安心・安全な畜産物の生産
 HACCPを基礎とした飼養衛生管理を適切に行うことによって安心、安全な畜産物を生産することができます。また、国の基準に基づいた認証を取得することによって、消費者、流通に安心、安全な畜産物を生産する農場の製品であることをPRすることができます。
2.生産性の向上
 農場HACCPでは、家畜の衛生と健康管理などの適正な飼養管理について規定し、また、必要なデータの文書化と記録がなされ追跡調査や検証を可能としています。そのため、記録したデータを分析することによって農場の問題点を発見し、問題点を改善にすることによって、適切で効率的な飼養衛生管理を行うことができ、これにより生産性の向上や経営体質の改善を図ることが可能となります。
(農場HACCP導入の推進)
 農場HACCPの導入は認証を受けることが目的ではありません。農場HACCPに取り組むことにより、農場における衛生管理を向上させ、畜産物の安全性を確保することが目的で、安全な畜産物の生産に繋がることが期待されます。
 農林水産省では、農場段階におけるHACCP方式を活用した衛生管理の推進により、消費者の求める安全な畜産物の生産、畜産物に対する消費者の信頼確保を図っていくこととしています。
 本県においても、本年度より農場HACCP認証制度整備事業をスタートさせ、検討委員会の設置や、認証制度の推進に向けて制度の周知や意向調査等を実施してまいります。
Q8 畜産物価格低迷により、畜産経営の厳しい情勢が続いています。飼料購入等の運転資金に利用できる融資制度はないでしょうか。(H22年6月)NEW
<A8>
 畜産物価格の低迷、配合飼料価格の高騰といった経済的環境の変化への対応を支援するため、「農林漁業セーフティネット資金」と「家畜飼料特別支援資金」の2つの資金融資制度が創設されています。
 農林漁業セーフティネット資金は、災害や経済的環境の変化等により農業経営の維持安定が困難な場合に農業経営の維持安定に必要な資金を融資する制度資金です。特に養豚経営の場合は、昨年からの豚肉価格の下落が異常事態となり融資対象となっています。償還期間(うち据置期間)は10年以内(3年以内)、貸付限度額は原則300万円以内(特認あり)、融資機関は日本政策金融公庫となります。
 家畜飼料特別支援資金は、配合飼料価格が高騰して、(独)農畜産業振興機構が必要と認めたときに発動される資金で、平成22年度も事業年度を延長して実施されています。資金使途は粗飼料及び飼料添加物を除く飼料購入費に限られています。償還期間(うち据置期間)は10年以内(3年以内)で、貸付限度額は畜種ごとの換算係数(別表)により算出した額となります。融資機関は農協、農林中央金庫、県が指定した銀行・信用金庫で、事業主体である(社)中央畜産会による利子補給を受けて農業近代化資金と同率の貸付金利での融資を受けることができます。なお、この資金の融資を受ける際には、畜産経営生産性向上計画を県に提出し、知事の承認を受ける必要があります。
 また、上記と比較して短期的な資金ですが、県の農業制度資金である簡易融資資金も利用できます。資金使途は概ね6ヶ月以内に必要な飼料購入費で、償還期間(うち据置期間)は7年以内(2年以内)、貸付限度額500万円となっており、融資機関は従来の農業制度資金同様、農協等となっています。  詳しくは融資機関又は県関係機関にお問い合わせください。

家畜飼料特別支援資金 貸付限度額

Q7 飼料原料としての飼料用米の利用について教えてください。(H21年9月)
<A7>
 国内における飼料用米の利用は、養鶏・養豚用飼料としての利用が主体で、国産飼料用米の生産は、産地確立交付金等を活用した地域での耕畜連携の取り組みとして行われています。
また、平成18年からは政府所有の外国産米(ミニマムアクセス=MA米)が全農や配合飼料メーカーに限定して販売され飼料原料として利用されています。MA米は玄米77万トン程度が毎年輸入され、このうち飼料用として18年度は40万トン、19年度は64万トンが利用されています。
1 飼料用米の特徴
 飼料用米の栄養価はトウモロコシと同程度で、玄米の主成分は約70%のデンプンと8%前後のタンパク質、2〜3%のわずかな脂肪であり、エネルギー供給源として高い価値を持っています。栄養面では、色素や脂肪含量、必須脂肪酸(リノール酸等)の含量がトウモロコシに比べて少ないことから、飼料用米給与によるマイナス影響の研究報告もされていますが、副資材の添加(例:卵黄の黄色維持のために、パプリカ抽出物を添加)等により解決が可能と考えられます。
 適切な配合を行えばトウモロコシのかなりの量を代替して利用することが可能で、採卵鶏用飼料の約60%に当たるトウモロコシをすべて飼料用米に代替しても問題はないことや、養豚用飼料原料の15〜30%を飼料用米に代替して肥育期間に給与し、嗜好性や増体に問題ないことが報告されています。
 加工用や飼料用等の新規需要米として品種育成されている、多収米品種は玄米収量が一般主食用品種より20〜30%程度多収で、10aあたり800〜1,000kgの多収事例もあります。
 また、国産飼料の利用や、畜産物の脂肪酸組成が変わること(オレイン酸が増加し、リノール酸が減少する傾向があるとの報告がある)等、飼料用米を給与したことによる違いを積極的にアピールして、畜産物の付加価値を図っている事例も見られています。
2 採卵鶏用飼料としての給与上の留意点
(1)粗たん白質の含量に注意: 品種や栽培方法により成分の変動がみられるため、あらかじめ粗たん白質含量などを把握する必要があります。
(2)丸粒のまま給与可能: 鶏は筋胃で穀物等をすり潰すことができるので、玄米・モミ米ともに粉砕せずに、丸粒のまま飼料に配合して利用することが可能です。
(3)卵黄色: 飼料用米の割合を増やすことによって卵黄の色は薄くなるため、黄色を濃くする必要のある場合はパプリカ抽出物等を添加する必要があります。
3 養豚用飼料としての給与上の留意点
(1)粗たん白質の含量に注意: 品種や栽培方法により成分の変動がみられるため、あらかじめ粗たん白質含量などを把握する必要があります。また、モミ米はモミ殻の部分の消化率が低いため、玄米と比べTDN、DCPともにかなり劣ります。
(2)粉砕により消化率を上げる: 玄米、モミ米ともに丸粒のままでの給与では消化率が低いため、粒度2mm以下に粉砕します。
4 飼料用米の普及拡大
 飼料用米を積極的に利用するため、低コスト生産・流通体制の確立や安定的な生産・流通体制の構築などの基盤整備が課題となっています。
 水田の有効利用と食料の安定供給を目指す、「米穀の新用途への利用の促進に関する法律(米粉・エサ米法)」が今年7月1日に施行され、米粉・飼料用米の生産・利用拡大への取り組み支援が推進されています。

Q6 経営規模が大きくなって従業員やアルバイト、パートを雇用するようになりました。従業員等に機械を使った作業させるときに必要なことはありますか。(H21年6月)
<A6>

 畜産経営も従来に比べ飼養頭羽数が増加し規模拡大が行われています。それに伴って作業の機械化が進んでいます。フォークリフトによる飼料や資材の運搬、ホイールローダーによる堆肥の切り返し、運搬などがありますが正しい運転操作や機械に関する正しい知識がないと思わぬ事故を招くことになります。
 職場における労働者の安全と健康を確保するとともに快適な職場環境の形成を促進することを目的に労働安全衛生法が定められています。そこでは、事業者(労働者を使用する者)は、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならないとされています。また、労働者を雇い入れたときは、労働者に対し、その従事する業務に関する安全または衛生のための教育を行わなければならないとされています。
 農場内でフォークリフトなどの機械を使った作業をさせるときは、厚生労働省都道府県労働局長の免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務につかせてはならないとなっています。公道を走行するには小型特殊或いは大型特殊運転免許が必要です。また、定期的に機械の自主検査を行い、その結果を記録しておかなければなりません。検査の結果、異常を認めた場合は直ちに補修などを行い、正常な状態に修復させ、必要な措置をとらなければなりません。
 最大荷重が1トン以上のフォークリフトの運転、機体質量3トン以上のトラクター・ショベル(ホイールローダー)、ドラグ・ショベル(油圧ショベル)などの車両系建設機械の運転などが該当します。また、最大荷重が1トン未満のフォークリフトの運転、機体質量3トン未満のトラクター・ショベル、ドラグ・ショベルなどの車両系建設機械の運転には都道府県労働局長の登録を受けた者が行う特別教育修了が必要となっています。

Q5 畜産関係の減価償却制度の見直しとは?(H21年1月)
<A5>

 平成19年度税制改正による減価償却制度の見直しとして(1)残存価格の廃止(2)定率法の償却率の引き上げ(3)償却の終わったものも5年間で1円まで償却可能とされました。さらに平成20年度税制改正では(4)実態に合った耐用年数を基に390区分から55区分に大きくくくられ年数の見直しが行われました。
 改正前では、資産ごとに一律法定耐用年数が定められていて、減価償却資産価額の10%分(乳用牛20%、豚30%等)が「残存価額」として残ることになっていました。
 耐用年数の変更では、
ア 建物(畜舎)を除く構築物(例:たい肥舎やサイロは20年から17年に)
イ 畜産の農業用機械及び装置(すべて7年に 例:乗用トラクター8年から7年、飼料作物収穫調整用機具のモーアは5年から7年、家畜飼養管理用機具の搾乳機や自動給餌器は5年から7年)
ウ 肉用繁殖めす牛(5年から6年に)
 などが見直されました。この耐用年数の改正は既存の減価償却資産すべてについて適用されます。
  それでは具体的に、機械と乳牛について改正前後の例を示します。
<例1>機械の乗用トラクター(耐用年数:8年から7年に改正)
 機械は定率法が一般的です。500万円で購入したものは残存価額が10%で50万円、450万円の償却限度額を8年で定率償却(償却率0.250)すると1年目は112.5万円になります。これが改正後では、平成20年4月1日以後に取得したものは、500万円が償却限度額、7年の定率償却(償却率0.357)で1年目は178.5万円となります。
<例2> 乳用牛(耐用年数の変更なく4年)
 生物は定額法で行います。50万円で購入したものは、残存価額が20%で10万円、40万円の償却限度額を4年で償却すると各年の償却額は10万円。これが改正後では、平成20年4月1日以後に取得したものは、50万円が償却限度額、4年償却で各年の償却額は12.5万円となります。
(減価償却費は、経費(費用)として利益から控除されます。この改正の100%償却により、毎年の償却額が増えることになり、経費を控除した最終の利益に応じて負担する所得税、法人税も少なくなります。)

Q4 飼料高騰によって厳しい経営状況になってきました。より収益を上げるにはどこから手をつけていったらよいですか?(H21年1月)
<A4>
 収益をあげるためには、エサ代を安くする、一頭当たり乳量を増やす、受胎率を良くする、省力化する、など…しかし漠然としていませんか?
 そろそろ青色申告の方は決算書作成の季節です。しかしほとんどの方は出来上がった決算書を見直すことがないと思います。せっかく苦労して作った決算書にもう一度目を通してみましょう。
 決算書の飼料費には育成牛の多い農家は成牛以外の経費が含まれており、自給飼料にかかる労働費を飼料費に換算していません。しかし経営状態や帳簿管理が大きく変わらなければ現状把握や過去との比較が可能です。
 例えば、飼料費を年間の出荷乳量で割ってみれば生乳1キロあたりの飼料費、乳代で割ってみれば乳飼比が出ます。もしこれが過去の経営や目標とする数値と大きく違うのであれば購入飼料の利用効率が値段の割に低い、個体能力が低く飼養効率が悪い、疾病が多く牛の入れ替わりが多い…などさまざまな欠点が見えてきます。個体の記録などをつけていればさらに掘り下げていくこともできます。過去の決算書と比較すれば、飼料高騰が自分の経営にどのくらい影響しているのかもわかるでしょう。  減価償却費は牛群の中に評価額の高い牛が多かったり、機械設備や堆肥舎などを新しくすれば増えてきます。 
 その他、治療費や素畜費などそれぞれの項目から効果的なコストの削減を図ってみてはどうでしょう。
 1頭あたりの売上や経費を出して淘汰の対象となる牛のピックアップもできます。
 このように本格的な経営分析ができなくても、青色決算書から経営を分析しても収益をあげるヒントが隠されています。 決算書は誰もが長年つけている経営の記録です。ぜひこの機会に自分の経営を把握し、特徴や欠点を見つけ出し、経営改善に役立ててみましょう。

Q3 飼料費等の運転資金として利用できる長期的運転資金はないでしょうか。(H20年1月)
<A3>

 配合飼料価格の高騰や原油価格の高騰といった経済的環境の変化への対応を支援するため、「農林漁業セーフティネット資金」と「家畜飼料特別支援資金」の2つの資金融資制度が平成19年度より創設されております。
 農林漁業セーフティネット資金は、災害や経済的環境の変化等により農業経営の維持安定が困難な場合に農業経営の維持安定に必要な資金を融資する制度資金です。償還期間(うち据置期間)は10年以内(3年以内)、貸付限度額は原則300万円以内(特認あり)、融資機関は農林漁業金融公庫(公庫受託金融機関を含む)となっています。
 家畜飼料特別支援資金は、配合飼料価格が高騰して、(独)農畜産業振興機構が必要と認めたときに発動される資金で、資金使途は粗飼料及び飼料添加物を除く飼料費に限られています。償還期間(うち据置期間)は10年以内(3年以内)で、貸付限度額は畜種ごとの換算係数(別表)により算出した額となります。融資機関は農協、農林中央金庫、県が指定した銀行・信用金庫で、(社)中央畜産会による利子補給を受けて農業近代化資金と同率の貸付金利での融資を受けることができます。なお、この資金の融資を受ける際には、畜産経営生産性向上計画を県に提出し、知事の承認を受ける必要があります。
 詳しくは融資機関又は県関係機関にお問い合わせください。
別表

Q2 農業制度資金が無利子化されると聞いたのですが、どのような場合に利用できるのでしょうか?(H19年6月)
<A2>

 平成19年度から平成21年度までの3年間は、認定農業者が借り受ける農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)及び農業近代化資金については、一定要件を満たす場合、国の無利子化措置により償還終了まで無利子となります。無利子化措置での貸付対象者は、スーパーL資金及び農業近代化資金ともに認定農業者で、資金使途は負債の整理などを除いた農業経営に必要な長期資金となります。無利子化措置は、スーパーL資金では個人が5百万円を超え1億円まで、法人が5百万円を超え3億円までで、農業近代化資金では、個人が5百万円を超え千8百万円まで、法人が5百万円を超え3千6百万円までです。なお、5百万円以下または、限度額を超える融資については無利子化の対象にはなりません。
 また、認定農業者以外の方は、担い手育成資金(農業リーダー特例資金)が新設され、平成19年度から平成21年度までの3年間については、一定要件を満たす場合に無利子となります。ただし、この資金の貸付対象者は5年以内に認定農業者となることが要件で、資金使途は県等が開発した新品種や新技術等を導入する際、必要な資金に限られています。
  なお、農業経営の改善を目的として、新たな創意工夫による「チャレンジ農業」に取り組む場合には、従来どおり農業改良資金が無利子資金として利用できます。
 それぞれの資金毎に、その目的、対象者、資金使途等の要件が定められておりますので、詳しくは農協など各融資機関、農政事務所・地域県政総合センター農政部または畜産技術センター普及指導部までお問い合わせください。

Q1 JAS法に基づく生産履歴公表豚肉の規格が平成16年7月に施行されたそうですが、どのようにすれば「生産履歴公表豚肉」としてJASマークを付け販売出来るのですか。(H17年1月)
<A1>
 BSEの発生等による消費者の「食」に対する信頼を回復するため「食卓から農場まで」顔の見える仕組みとして「牛肉のトレーサビリティ法」が施行されました。これに給与飼料の情報などを加えて公表する、新たな「生産情報公表JAS」規格が牛肉で平成15年10月に定められ、次いで平成16年7月に豚肉の規格が追加されました。
 生産情報公表JAS豚肉(JAS豚肉)として流通できる豚肉を生産しようとする農家は、飼養豚を個体毎(又は30頭以下のロット単位)に識別し、生年月日や管理者、飼養期間、給与飼料、使用した動物用医薬品などの生産情報と、と畜の情報を正確に記録、保管する必要があります。
 このように記録された情報は、JASマークの付いた豚肉を購入した消費者が個体識別番号やロット番号から、店頭の表示やインターネット、FAXなどを通じ生産流通情報として見ることが出来ます。
 この生産情報公表JASマークを付けた豚肉を流通販売するためには、生産・流通情報を消費者に正確に伝えていることを生産者(生産行程管理者)及び小分け業者(加工流通業者)が第3者機関(登録認定機関)の認定を受ける必要があります。
 JAS豚肉については平成16年11月29日現在、生産者(生産行程管理者)は2農場、加工流通業者として1社が認定されています
 ※生産情報公表豚肉のJAS規格については、平成20年11月に改正されています(平成23年10月現在)。最新の情報については、農林水産省のHPをご覧ください。

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