畜産農家向け
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質問と回答
畜産環境
Q14 肥料・土壌改良資材・培土として利用できる放射性セシウム濃度を400ベクレル/kg以下としたのですか。
(H24年1月)

<A14>
 核実験や他国での原発事故の影響等を調査するために、独立行政法人農業環境技術研究所が1959年から約50年間農地土壌での放射性セシウム濃度を測定した結果によると、福島第一原子力発電所の事故以前における全国の農地土壌の放射性セシウム濃度の平均は約20ベクレル/kg、最大値は約140ベクレル/kgでした。
 農水省のシミュレーションによれば、肥料等の放射性セシウム濃度が400 ベクレル/kg以下であれば、たとえ同濃度の肥料等を40年間程度施用し続けても、過去の農地土壌中の放射性セシウム濃度の範囲内である100ベクレル/kg(事故前の最大値140ベクレル/kgを切り下げた値)を超えることがありません。(今回のシミュレーション、(1)非汚染農地土壌10アール(土壌量約150t)当たり放射性セシウムを含む肥料等を毎年2t施用、(2)放射性セシウムはすべて半減期の長い放射性セシウム137(半減期:約30年)であると仮定し、さらに土壌中及び肥料等の放射性セシウムは、自然減少しかしないとした場合の農地土壌の放射性セシウム濃度の変化を試算。)
 つまり、施用される肥料等が400ベクレル/kgという基準を満たせば、その肥料等を長期施用し続けても、土壌中の放射性セシウム濃度を、過去の農地土壌の放射性セシウム濃度の範囲内に収めることができます。
 また同様に、肥料等を農地に散布する作業者の安全についても検討しており、本基準は原子力安全委員会が示している外部被ばくの基準(10マイクロシーベルト/年)を満たします。
 なお、神奈川県及び県内一部の市では今回の事故後に、農用地の土壌検査を定期的に行っています。9月の検査では7カ所測定していて、放射性セシウム濃度は最小で19ベクレル/kg、最大で127ベクレル/kgとなっています。ちなみに、堆肥では多くの畜産農家が自主検査しており、その数値を見ると、20〜30ベクレル/kg程度の数値の堆肥も散見されますが、ほとんどが検出限界未満です。

Q13 たい肥化施設から低級脂肪酸が発生し悪臭となっています。低級脂肪酸の発生する原因と対策は何でしょうか。
(H23年1月)

<A13>
 
低級脂肪酸は、家畜ふんに含まれる炭素化合物が嫌気性微生物に分解されるときに発生する悪臭物質ですが、空気中にわずかに含まれていても感じるほどのやっかいな悪臭物質です。畜産に関係する悪臭物質としての低級脂肪酸には、プロピオン酸(刺激的な酸っぱいにおい)、ノルマル酪酸(汗くさいにおい)、ノルマル吉草酸、イソ吉草酸(むれた靴下のようなにおい)などがあります。たい肥化発酵の過程で低級脂肪酸が発生するのは、堆積物の内部に酸素のない嫌気状態の部分があるからです。
 嫌気状態の部分では、家畜ふん中の有機物を嫌気性微生物が分解するので、各種の悪臭成分が発生します。
 悪臭対策としては、脱臭剤や脱臭装置などが考えられますが、脱臭装置を付けるには、たい肥化施設を密閉して悪臭を集める必要があり、施設整備や運転費用などの経済的負担が増加します。
 低級脂肪酸の発生原因は、堆積物の内部が嫌気状態になることですから、嫌気部分を解消して、好気性微生物が活動できる好気状態にすることが最も良い悪臭対策になります。
 堆積物の内部を好気状態にするには、オガクズなどの副資材を適量混合して容積重を軽くして、空気が入り込む隙間を作ることです。しかし、このように通気性を確保しても堆積物の中心部や底部には空気が行き届きにくいので、切り返しや底部からの送風を行って堆積物内部の好気状態を保つことが必要です。
 たい肥化発酵は、好気性微生物による有機物の分解作用なので、堆積物内部が好気状態であれば、悪臭のかわりに発酵熱が発生して、たい肥化が進み、良質堆肥の生産ができることになります。

Q12 農作業事故を未然に防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか。
(H22年9月)

<A12>
 
農業機械作業に係る事故では、乗用型トラクターに関するものが多く死亡事故の約半数を占めています。トラクター操作の基本的な事柄を遵守すればかなりの事故は防ぐことができます。
 基本的な事項としては、(1)機械に貼ってある、危険、警告、注意などのラベルと取扱説明書を良く読んで理解する。(2)エンジンの始動、発進、後進、旋回、クラッチ操作を行う場合は、常に周囲の子供や補助者などの安全を確認し、警笛などで合図をする。(3)作業に合った服装をする。回転部、レバー、操作部に引っ掛かったり巻き込まれたりして危険なので、だぶついた服は着ず、袖口はきっちり止める。また、靴も滑りにくいものを履き、ヘルメットも被る。(4)体調が悪いときは運転しない。また、疲労を感じたときは休憩を取る。
 トラクターの転落・転倒事故防止のためには、(1)安全フレームや安全キャブを必ず装着する。(2)移動や道路走行時には、必ず左右のブレーキペダルを連結し速度を落として運転する。(3)溝、土手など路肩の崩れやすい所、草の繁った所では運転しない。また、対向車を避けるときに路肩に寄りすぎない。(4)圃場への出入り、畦畔越えの時は、速度を落とし、溝や畦に直角に走行する。
 人の転落事故防止のためには、(1)乗降にはステップと握りを使い、足下の滑りに注意する。(2)トラクターや作業機に子供や補助者などを乗せない。
 巻き込まれ事故防止のためには、(1)点検整備や清掃時には必ずエンジンを止め、油圧昇降装置もロックする。(2)PTOや回転部のカバーは点検整備や清掃などで外したら、必ず元通りに付ける。(3)作業機の着脱時には、トラクターと作業機の間に入らない。
 以上のことを常に心掛け安全運転をしていただきたいと思います。

Q11 最近、農作業事故が話題になっていますが、実態はどうなっているのでしょうか。
(H22年6月)

<A11>
 
農林水産省が取りまとめた「平成20年に発生した農作業死亡事故の概要」によると平成20年の農作業死亡事故件数は374件となっています。内訳を見ると、農業機械作業に係る事故は、260件(70%)、農業用施設作業に係る事故は、17件(5%)、農業機械・施設以外の作業に係る事故は、97件(26%)となっています。
 年齢別にみると、65歳以上の高齢者の事故が296件で全体の79%となっています。男女別にみると、男性が325件(87%)、女性が49件(13%)となっています。
 機械に係る事故では、乗用型トラクターによる事故が最も多く、129件(50%)、歩行型トラクター及び農用運搬車(動力運搬車、農業用トラックなど)がそれぞれ35件(13%)となっていて、この3機種で機械に係る事故の77%を占めています。
 乗用型トラクターでは、機械の転落、転倒が94件と最も多く、次いで回転部等への巻き込まれが11件となっています。歩行型トラクターでは、挟まれが16件と最も多く、次いで回転部への巻き込まれが9件となっています。農用運搬車では、機械の転落、転倒が16件と最も多く、次いで道路上での自動車との衝突、機械からの転落がそれぞれ5件となっています。
 施設に係る事故は、作業舎の屋根等、高所からの墜落、転落が10件と最も多くなっています。それ以外の事故は、ほ場、道路からの転落が28件と最も多く、次いで熱中症等を含む作業中の病気によるもの、稲わら焼却中等の火傷がそれぞれ20件、19件となっています。
 大きな事故の裏側には、同じ原因のヒヤリ事故が数十倍あると言われています。また、作業開始から2時間前後経過すると肉体疲労による事故の発生が多くなるといわれています。
 畜産経営では、作業機械の種類が多く、大型の農業機械も日常的に扱っています。また、畜舎内作業等で家畜を取り扱っている時に事故が発生する場合もありますので事故防止に細心の注意を払うことが大切です。

Q10 家畜ふんの堆肥化発酵を行うときには、通気性を確保することが重要であると言われていますが通気性を推定する良い方法はありますか。(H22年1月)
<A10>
 
堆肥化発酵とは、家畜ふんに含まれている易分解性の有機物が好気性微生物によって分解されることですから、空気中の酸素が家畜ふんの内部に入り込んでいかなければ家畜ふんの堆肥化発酵は始まりません。
 水分の多い家畜ふんは比重が大きく、通気性に欠けるためにオガクズやモミガラなどの副資材を添加して全体を膨軟な状態にして通気性を良好にする必要があります。副資材の添加は水分調整ではなく、家畜ふんに通気性を確保することが目的であり、良好な通気性が発現するように家畜ふんの比重(容積重)を調整することが堆肥化発酵の重要な条件です。
 通気性が確保されるように比重を0.7(容積重700kg/m3)以下に調整することが上手に発酵させるコツになります。
 通気性が確保される(発酵が始まる)水分は表1に示したとおりで、家畜の種類や混合する副資材の種類によって異なります。
 容積重は重量計とバケツがあれば現場で簡単に測ることができるので、堆肥原料の前処理の状態を確認するのに便利です。10リットルのバケツに混合調整した堆肥化混合物をすり切りいっぱい入れ、重量を測定して6.5kg程度になっていれば通気性が確保されています。
表1 堆肥化発酵がスタートする水分

Q9 家畜ふんたい肥は野菜などの耕種農家ではどのような使われ方をしていますか。(H21年9月)
<A9>
 
肥料価格の高騰や環境への負荷の軽減などから、ほ場の土壌診断を行い適正な施肥設計をしてムダな肥料を使わないようにしています。
 家畜ふんたい肥は、基肥を代替する資材として位置付けられています。含有成分が分かっている家畜ふんたい肥を使い、たい肥の有効成分の量だけ、化学肥料の施用量を減らします。
 たい肥の施用量は、まず、窒素について行い、たい肥の施用量に肥効率を乗じて、各成分の有効成分量を算出します。その時点でリン酸、カリなどの成分が過剰になった場合は、施用量を減らします。
 家畜ふんたい肥は特殊肥料に分類され、肥料取締法に基づく表示で窒素、リン酸、カリなどの成分が表示されていますが、この全てが化学肥料と同じように効くわけではありません。この効き目を表すのが肥効率です。肥効率は、家畜ふんたい肥中の肥料成分が肥料としてどれだけ効くのかを化学肥料と比較した指数で、化学肥料と同等ならば100%、化学肥料の半分ならば50%となります。家畜ふんたい肥の肥効率のめやすは、表1のとおりで、副資材の有無にかかわらず畜種と窒素含有率から窒素肥効率を区分することができます。リン酸の肥効率は80%、カリは90%でかなり高く、これは家畜ふんたい肥中のリン酸とカリが肥料の代替として使えることを示しています。
Q9たい肥の肥効率

Q8 完熟堆肥とはどのようなものですか。(H20年9月)
<A8>
  堆肥化発酵とは家畜ふんを微生物が分解することですが、より正確にいうと、家畜ふんに含まれる易分解性有機物を好気性微生物が分解することです。分解に伴い発酵熱が発生し、この発酵熱により病原菌や雑草の種子が死滅するとともに水分が蒸発します。
 家畜ふんは、水分、有機物、無機物に分けられますが、有機物はさらに、易分解性有機物(微生物に分解されやすい有機物)と難分解性有機物(微生物に分解されにくい有機物)に分けられます。家畜ふんに含まれる有機物の約半分が、堆肥化発酵により分解します。分解した有機物が易分解性有機物で、残った有機物が難分解性有機物になります。このように堆肥化発酵で分解されなかった難分解性有機物と灰分と残りの水分の混合物が完熟堆肥です。つまり、易分解性有機物の分解が終了した時点で完熟堆肥と呼ぶことができます。
 堆肥化の過程を述べますと、この易分解性有機物が分解する過程では発酵熱が急激に発生しますので、最初発酵温度が急上昇し、その後ピークを過ぎ、発酵温度が徐々に低下して温度の低下傾向が止まれば、易分解性有機物の分解が終了した安全な完熟堆肥になります。
 堆肥化発酵で分解した易分解性有機物も土壌徹生物の養分になりますが、易分解性であるため土壌中での急速な分解により発酵熱を発生させ、酸素が消費されて土壌が嫌気性になると、腐敗して有害ガスや生育阻害物質を発生させる危険性があります。作物や土壌に弊害を及ぼすことなく、土づくりを行う堆肥が完熟堆肥ですから、危険な易分解性有機物を分解させ、安全な難分解性有機物を残した堆肥が完熟堆肥となります。
 堆肥の価値は含まれている有機物にあります。有機物は土壌中の微生物の養分となりさまざまな生命体を増殖させ団粒構造の豊かな地力の土壌をつくります。保水性や排水性、保肥力や通気性に富んだ、このような土壌が植物にとって最適な土壌です。

Q7 堆肥を施用すると土壌改善に役立つといわれていますが、なぜですか?(H20年6月)
<A7>
 堆肥の土壌改善効果として、次のようなものがあります。
1 土壌の団粒化が進む  堆肥を施用すると、堆肥に含まれている有機物は微生物によって分解されますが、微生物に分解されにくい有機物が土壌中に残り、これが腐植になります。腐植は土壌の粒子と粒子を結びつけて土壌の団粒化を進めます。  土壌の団粒化が進むと、団粒と団粒の間に隙間ができて、土は軟らかくなり、耕しやすくなって作物の根も伸びやすくなります。また、団粒間にできた隙間は過剰な水を排水し、通気性を良くして、作物の根からの養分吸収・水分吸収が高まり、作物の生育が良くなります。さらに団粒の内部には微小な隙間もあるので保水性も高くなっていきます。
2 土壌の生物相を改善する  堆肥を施用すると、これを餌にしているミミズなどの土壌動物の活動が盛んになり、堆肥は細かくされ、微生物の分解を受けやすくなります。また、堆肥に含まれる有機物が餌になって、土の中の微生物の数が増え、活動が盛んになると、施用した堆肥だけでなく、これまでに蓄積されていた有機物の分解も促進されます。
3 肥料効果がある  堆肥には、窒素、リン酸、カリ、カルシウム、マグネシウムなどのほかに、マンガン、ホウ素などの微量要素も含まれ、総合的な養分供給源になっています。  また、その効果が徐々に現れることが化学肥料と大きく異なっています。堆肥を連年施用すると、分解されにくい有機物が土壌中に蓄積され、ここから供給される養分量はしだいに高まっていきます。


Q6 乳牛ふんの堆肥づくりで、なるべく臭気を抑えるためには、どのような点に気をつければよいのでしょうか?(H19年6月)
<A6>
 乳牛ふんは水分が高く、内部が嫌気状態のため、そのまま放置すると嫌気性微生物による有機物の分解が始まり、硫化水素や揮発性脂肪酸のように人間が少量でも臭気を強く感じる悪臭物質が多量に発生することは、皆さんもう既にご存じかといます。
 これを防ぐためには、発生したふんを速やかに畜舎から堆肥化施設などに搬出し、天日乾燥や副資材を混合することにより水分を68%程度に調整し、ふん中の通気性を確保することで、好気性微生物による有機物の分解を促すことが臭気対策の第一歩となります。
  好気性微生物によって、ふん中の有機物が分解される時に発生する硝酸態窒素やアンモニア態窒素などは、アンモニアの発生源となりますが、好気性微生物が活発に活動していれば、好気性微生物の増殖に利用されますので、アンモニアが空気中に大量に放出されることなく、微生物体内に取り込まれることになります。
  そこで、堆肥化時の臭気の発生を抑えるためには、堆肥化初期に微生物が増殖しやすい環境を整えてあげることがポイントとなります。
 堆肥化に必要な微生物が多く含まれている乾いた完成堆肥を、ふんの水分調整として利用することは、微生物の増殖促進に効果的です。また、刻んだわらやおがくずなどを混合することは、ふん中の通気性を確保すると同時に、微生物の増殖に必要な窒素源を吸着し、炭素源を供給するという役割も果たします。
  なお、嫌気性微生物による分解では熱の発生が少なく堆肥の水分蒸散が進まないばかりか、フェノール性酸など植物の発育を阻害する物質が発生するので、堆肥の品質低下を引き起こします。
  微生物の活動しやすい環境を整えることを心がけていただき、臭気を抑えた良質堆肥づくりに取り組んでください。

Q5 家畜用浄化槽で汚水を処理する時、希釈水を加えるのはなぜなのでしょうか?(H19年1月)    
<A4>    
 家畜では、バランスのとれた飼料が適量給与され、栄養分が家畜の体内で効率よく消化・吸収されなければ、良好な発育や良質な畜産物生産は期待できません。
 浄化槽も同じことで、「飼料」となる畜舎汚水が、ばっ気槽内の活性汚泥中の微生物に効率よく利用されなければ、浄化が進まなくなるばかりでなく、良好な活性汚泥を維持することが難しくなります。
  活性汚泥中の微生物が効率的に浄化できる汚水のBOD濃度の上限は、1,200mg/リットルと言われています。しかしながら、畜舎汚水のBOD濃度はこの値に比べ高く、そのままでは微生物が「飼料」として効率よく利用できません。さらに畜舎内ふん尿分離の不徹底、汚水貯留槽の清掃不足、振動篩の故障など前処理が不十分になれば、BODの濃度は余計に高まり、微生物にとってますます利用しにくい汚水となってしまいます。そこで、微生物が利用しやすいようBOD濃度を下げるため、しっかりと前処理を行った上で「希釈する」必要が生じるわけです。
  一般的に、搾乳牛30頭規模ならば、1日あたりにばっ気槽内に投入される汚水量は1.8m3、BOD濃度は5,000mg/リットル程度が目安となるので、6m3(4.3倍)程度の希釈水が必要となります。同様に肥育豚1,000頭規模ならば、汚水量は15m3、BOD濃度は3,000mg/リットルですので、22m3(2.5倍)の希釈水が必要となります。
  希釈不足は、活性汚泥の状態の悪化を招き、沈澱分離を困難にするばかりか、ばっ気槽からの発泡や放流水の着色の原因となります。浄化槽の維持管理を楽にするためにも、十分な希釈を心がけて下さい。
 また、ブロアーの老朽化や散気管の目詰まりなどによりばっ気の能力が低下すると、微生物が汚水を浄化する時に必要な酸素が不足することになりますので、ばっ気装置の定期的な点検、清掃も忘れずに行って下さい。

   
Q4 畜舎消毒の目的について教えてください。(H18年9月)    
<A4>    
 畜産現場における消毒の目的は、(1)畜舎等施設を病原体の侵入から守り生産性を向上させること、(2)病原体の増殖を防止し清潔な環境を確保することです。    
 消毒は目に見える即効性こそありませんが、農場を守る防疫対策の基本です。特にこの時期は、夏期に受けた暑熱ストレスで食欲が落ち、栄養バランスを崩しやすいことから、病気にかかる危険性が高くなっていますので、畜舎の衛生管理を再度見直しましょう。    
 まず、汚染の原因や病原体が持ち込まれないよう、畜舎出入り口には踏み込み消毒槽が必要です。長靴等の消毒が主になりますから、有機物の混入があっても効力が低下しにくい消毒薬を選んで、毎日交換しましょう。できれば、先に汚れを落とすための踏み込み槽も準備し、雨水や直射日光を遮れるよう、設置場所にも工夫が必要です。    
 舎内の消毒は、ふん・敷料などを除去した後、水洗→乾燥→薬剤散布等を行います。常に殺菌消毒できるよう薬液を準備しておくのも良いでしょう。舎内を無菌状態にすることは不可能ですが、定期的に清掃・消毒を実施することで家畜に重大な病気を発症させないことは可能です。また、畜舎内は、家畜にとって食堂兼寝室ですから、飼料を採食しその後ゆっくりと横になれるに、清潔で快適なストレスのない状態を保ちましょう。  

  
Q3 家畜ふんの堆肥化には、なぜ水分調整が必要なのでしょうか?(H18年6月)
<A3>
 家畜ふんは水分が高く通気性が悪いため、酸素を必要としない微生物による嫌気発酵が始まり、有機物を分解する際には悪臭物質などが発生するなど、そのままでは堆肥化することができません。
 そこで、天日乾燥ハウスで乾燥したり、おがくずなど低水分の副資材や乾いた戻し堆肥を混合することで水分を68%程度に調整してあげれば、ふんが「ふかふかの状態」になり、酸素を必要とする微生物による好気発酵が始まる環境が初めて整うことになります。さらに切り返しやブロアーで送風を行うことで、ふん内に新しい空気が含まれ好気発酵がはじまると、有機物を炭酸ガスなどに分解するとともに発酵熱を発生し、発酵温度は60℃以上の高温状態となります。水分調整がうまくいった証拠と言えるので、この状態を温度計で確認してみましょう!
 この高温状態が一週間程度継続すれば、ふん中の雑草種子や有害な病原菌などが死滅します。悪臭の発生を抑制し発酵温度の上がりをよくするためには、速やかにふんの水分調整を行い、通気性を確保することが重要で、断続的に発生する発酵熱によりふん中水分が蒸散し、水分が50〜60%程度まで低下すれば取り扱いやすい堆肥になります。
 梅雨時は、天日によるふんからの水分蒸散が期待しにくい時期です。天日乾燥ハウスの場合は、ハウス天井に扇風機を設置することで乾燥能力を改善することが可能です。また切り返しの回数を増やしたり、ブロアーの送風状況を確認するなど、通気性を補う工夫をしてみましょう。    


Q2 家畜用浄化槽の維持管理についての留意点を教えてください。(H18年1月)
<A2>    
 連続式・回分式浄化槽ともに曝気槽内の活性汚泥中の微生物により汚水が浄化されます。そのため、活性汚泥の状態を定期的に観察することが最も重要になってきます。    
 活性汚泥の状態を観察する方法は、1Lメスシリンダーもしくはペットボトル等に活性汚泥水を採取し、30分間静置します。活性汚泥と上澄み液が分離する割合と活性汚泥の動きから状態を判断します。    
 良好な状態の浄化槽は、活性汚泥量が、全体の1/3〜2/3程度で、味噌汁の味噌のようにモヤモヤと凝集します。ところが、活性汚泥が極端に多いもしくは、少ない浄化槽では活性汚泥が凝集しません。この場合、曝気量、負荷量などが適当でない事が原因で、活性汚泥の住み良い環境ではありません。    
 また、冬期は水温が低下することで微生物の活動が鈍くなり夏期に比べ処理能力が落ちます。活性汚泥も単なる汚泥ではなく微生物という生き物です。常に気にかけて手を加えることで、活力ある微生物集団を維持して、順調な浄化槽の運転につなげていきましょう。


Q1 生産した堆肥を野菜、果樹農家や家庭菜園の人に販売したいのですが。(H17年6月)
<A1>
 堆肥は肥料取締法で特殊肥料に位置づけられています。販売するには、特殊肥料生産業者と肥料販売業務開始を神奈川県知事に届け出なければなりません。
 特殊肥料生産業者の届出をするには、堆肥の次のような分析成分値が必要です。
牛ふん堆肥:窒素、りん酸、加里、有機炭素、水分
豚ぷん堆肥:窒素、りん酸、加里、有機炭素、水分、銅、亜鉛
鶏ふん堆肥:窒素、りん酸、加里、有機炭素、水分、亜鉛
      ※石灰を使用している場合は、石灰の分析も必要です。
 堆肥の成分分析は、平成16年度までは肥飼料検査所で行っておりましたが、平成17年4月からは民間の分析機関で対応していただくこととなりました。

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