神奈川県水産総合研究所

相模湾定置網漁海況の2002年下半期の経過と2003年上半期の見通し


2002年下半期の経過

相模湾周辺の海況と定置水温(平塚沖防災研究所観測塔水深3m)

 期間内の黒潮流路は、概ねN型(直進)で接岸傾向を示し、相模湾へ強い影響があった。(図1a、b)。相模湾沿岸水温(図2)は、8、9月の一時期に平年より1度高めとなった他は、平年並〜やや低めとなった。11月には平年を3度下回った。11月末に黒潮からの大規模な暖水波及があり、水温は平年並み〜やや低めとなった。
2002年8月1日 2002年12月5日
図1a:2002年8月1日
図1b:2002年12月5日

相模湾水温(平塚沖)
図2:相模湾定置水温(平塚沖3m深)の経過
2002年下半期概況
2003年上半期予測
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定置網漁況の経過

2000〜2002年下半期定置網漁獲量

過去3年間の7月から12月末までの神奈川県内各定置網漁場と、伊豆東岸地区の標本漁場計33カ統における魚種別漁獲量上位10種をに示す。

総漁獲量

 今期の総漁獲量は5834tであり、前年同期と同水準、前々年を上回る漁況であった。西湘は過去3年間で最高、他では中位の漁獲水準であった。2001年と比べて三浦地区の落ち込みが比較的大きかったが、主な原因はマイワシの漁獲減であった。 好漁したものはマルソウダ、カタクチイワシ、スルメイカ、マルアジ、イボダイであった。さば類、マアジ、イサキ、ウルメイワシは比較的良い漁模様であった。ブリは当歳魚(銘柄わかし、いなだ)の漁獲量が減少した。マイワシは74tであり、前年比0.07倍、前々年比0.13倍と大きく落ち込んだ。

総計地区別水揚げ量総計魚種別水揚げ量

1.マルソウダ

 西湘および伊豆主体に983tを漁獲した。前年比1.4倍、前々年比1.2倍に増加した。西湘、伊豆地区では過去3年間で最高の漁獲量であった。

マルソウダ地区別水揚量マルソウダ月別水揚量

2.さば類

 各地区で計862tが漁獲され、前年比1.4倍、前々年比0.75倍であった。ほとんどはゴマサバであったと考えられる。

さば類地区別水揚量さば類月別水揚量

3.マアジ

 各地区で計598tが漁獲され、前年比0.67倍、前々年比2.7倍であった。過去10年間で3番目に高い漁獲量であった。

マアジ地区別水揚量マアジ月別水揚量

4.カタクチイワシ

 湘南、三浦地区主体に499tが漁獲され、前年比3倍、前々年比7倍であった。

カタクチイワシ地区別水揚量カタクチイワシ月別水揚量

5.ブリ

 下記ブリ情報参照。

6.スルメイカ

 伊豆地区を主体に230tが漁獲された。特に12月に伊豆地区で148t漁獲された。前年比1.2倍、前々年比3.9倍であった。

スルメイカ地区別水揚量スルメイカ月別水揚量

7.イサキ

 西湘および伊豆を主体に224tを漁獲した。前年比0.72倍、前々年比2.0倍であった。

イサキ地区別水揚量イサキ月別水揚量

8.マルアジ

 西湘、湘南、伊豆を主体に220tを漁獲した。前年比3.3倍、前々年比2.5倍であった。

マルアジ地区別水揚量マルアジ月別水揚量

9.ウルメイワシ

 西湘、伊豆主体に203tを漁獲した。前年比0.72倍、前々年比2.7倍であった。

ウルメイワシ地区別水揚量ウルメイワシ月別水揚量

10.イボダイ

 西湘、伊豆主体に185tを漁獲した。前年比2.2倍、前々年比3.3倍であった。

イボダイ地区別水揚量イボダイ月別水揚量

ブリ情報

 各地区で274tが漁獲され、前年比0.45倍、前々年比0.44倍に減少した。2002年生まれのブリは、高水準であった過去2年と比べて少なく、このため銘柄わかし、いなだが減少した。しかし、多く生まれた2000年群が成長した結果、2002年下半期の銘柄わらさ漁獲量は2001年に継ぐ水準であり、銘柄ぶりの漁獲量は過去3年間で最も高く、12月に伊豆、三浦および湘南地区で漁獲が見られた。

ブリ地区別水揚量相模湾2002年下半期ブリ月別漁獲量

2000〜2002年下半期定置網漁獲量


2002年下半期概況
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2003年上半期の予測

海 況

 1〜3月はN型(直進)で推移する。短期的変動を伴う。4月にはB型(遠州灘沖で離岸し伊豆諸島海域を北上)。5〜6月にC型(伊豆諸島海域で離岸)。
予想流路1 予想流路2

詳細は神奈川県近海海況予報をご覧下さい。

漁 況

1.マアジ

 2002年下半期のじんだ来遊水準は,比較的高水準であった。このため、2003年上半期の1歳魚(F.L.17〜19cm程度)来遊水準は前年を下回るが,近年では比較的高水準となる。神奈川県では800t程度が見込まれる。このうち,西湘地区で550t、湘南+三浦地区で250t程度が見込まれる。伊豆地区は700t程度が見込まれる。

2.ブリ

 相模湾全域における3歳魚以上(銘柄ぶり)の漁獲は、2000年生まれ群が近年にない卓越であることを考慮すると、1万尾以上の漁獲が期待できる。2歳魚(銘柄わらさ)に関しては,前年にはおよばないものの、40〜80tの漁獲が見込まれる。銘柄いなだについては近年の漁獲状況から期待できない。

西湘地区ブリ漁獲量過去5年間

3.マイワシ

 2003年上半期は2歳魚および1歳魚が主体。2歳魚は2001年生まれの資源水準が低いので来遊の期待が持てない。1歳魚については、2002年生まれに全く期待が持てないので厳しい状況にある。従って、前年を大きく下回る。相模湾全体で1t程度と極めて散発的な漁模様となる。

西湘地区マイワシ漁獲量過去5年間

4.さば類

 ゴマサバの資源水準は1999年生まれは高いが,2000年および2001年生まれはこれに及ばないと考えられる。ゴマサバ1歳魚主体に2歳魚も漁獲される。伊豆地区では90t程度、相模湾全体では150〜200t程度が漁獲される。

西湘地区さば類漁獲量過去5年間

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