神奈川県水産総合研究所

相模湾定置網漁海況の2001年上半期の経過と下半期の見通し


2001年上半期の経過

海 況

黒 潮:

黒潮は期間を通じて全般的にC型(伊豆諸島をまたいで蛇行する)で推移した。 5月には一時的にB型(遠州灘沖で岸から離れ、伊豆諸島の西を北上する)となったが、6月には再びC型になった。

相模湾:

1月から3月にかけて黒潮からの暖水の影響を受け,高め傾向となった。4月から5月にかけては平年並み〜やや低めであった。 6月は暖水波及により、時おりやや高め傾向となったが、全般的に平年並みで推移した。

黒潮の流型
2001年上半期概況
2001年下半期予測
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漁 況


概要

2001年上半期(1〜6月)の県内定置網による漁獲量上位10魚種をに示した。2001年6月末までの標本定置網32ヵ統の漁獲量は、前年同期より316t多い3760t(前年比109%)であった。マアジ、ブリ、スルメイカ等が前年を上回ったが、さば類は前年比25%と大幅に減少した。魚種別では、マアジ、カタクチイワシ、マイワシ、ブリ、スルメイカの順で漁獲が多く、今漁期に中心となる魚種が上位を占めた。前年は55tと特異的に多く漁獲されたキントキダイは、今年はほとんど漁獲されなかった(0.9t)。

地区別漁況

西湘地区:

 マアジ、カタクチイワシ、タチウオ、スルメイカ主体に漁獲があり、漁獲量は前年並みの852tであった。平年値(平成2年?12年平均)の1343tは下回った。マアジの漁獲量は576tであり、前年比148%と増加し、平年値の652tは下回った。今期の漁獲量は資源が高水準であった90年代中期と同水準であった。総漁獲量に占めるマアジの割合は69%であり、平年値(52%)を上回った。マアジの割合が50%を越えたのは96年以来であった。ブリの漁獲量は19tであり、前年比198%と増加し、平年値(13t)を上回った。カタクチイワシの漁獲量は35tであり、前年比120%と増加したが、平年値(67t)の52%と不振であった。マイワシの漁獲量は14tであり、平年値120tの12%と1990年以降最低であった。さば類の漁獲量は9.4tであり、前年比8%、平年値の10%と不振であった。

湘南地区:

 マアジ、カタクチイワシ、マイワシ、アカカマス主体に漁獲があり、漁獲量は前年を上回る843tであった(前年比171%)。マアジの漁獲量は325tであり、前年比2031%と大幅に増加した。カタクチイワシの漁獲量は280tであり、前年比491%と大幅に増加した。これに対してマイワシの漁獲量は66tであり、前年比86%と減少した。さば類の漁獲量は17.2tであり、前年比27%と大幅に減少した。タチウオの漁獲量は5.6tであり、前年比8.6%と大幅に減少した。

三浦地区:

 マアジ、マイワシ、ブリ、カタクチイワシ、アカカマス主体に漁獲があり、漁獲量は前年を上回る770tであった(前年比136%)。マイワシの漁獲量は281tであり、前年比110%とやや増加した。マアジの漁獲量は148tであり、前年比592%と大幅に増加した。ブリの漁獲量は146tであり、前年比235%と増加した。これに対してさば類の漁獲量は9.5tであり、前年比22%と大幅に減少した。

金田湾地区:

 マアジ、カタクチイワシ主体に12tの漁獲がみられた。

伊豆地区:

 マアジ、カタクチイワシ、ブリ、スルメイカ主体に漁獲があり、漁獲量は前年をやや下回る1284t(前年比88%)であった。マアジの漁獲量は390tであり、5月まで不振であったが、6月に入り回復し前年並みの漁獲となった。ブリの漁獲量は140tであり、前年を大幅に上回った(前年比311%)。スルメイカの漁獲量は132tであり、前年比180%と増加した。これに対してカタクチイワシの漁獲量は170tであり、前年比52%と減少した。さば類の漁獲量は88tであり、前年比33%の大幅な減少となった。

魚種別漁況

ブリ:

 ぶりは4月に伊豆地区を中心に漁獲がみられ、総漁獲量は71.2tであった(前年比1343%)。ぶり入網数は、伊豆地区が8494尾(前年同期497尾)、西湘地区が794尾(前年同期131尾)、合計9288尾であり(前年同期628尾)大幅に増加した。漁獲量では、伊豆地区が63t(前年比1466%)、西湘地区が6.4t(前年比690%)、湘南地区が0.13t(前年比500%)、三浦地区が1.6t(前年比3647%)とそれぞれ増加した。わらさは4?6月に伊豆地区主体に漁獲がみられ、総漁獲量は81tであった(前年比107%)。伊豆地区が69t(前年比173%)、西湘地区が6.8t(前年比625%)、湘南地区が0.7t(前年比20%)、三浦地区が4.1t(前年比13%)であり、伊豆および西湘地区で増加し、湘南ならびに三浦地区で大幅に減少した。いなだは5?6月に三浦地区主体に漁獲がみられ、総漁獲量は154tであった(前年比510%)。伊豆地区が8.2t(前年比20395%?前年は40kg)、西湘地区が3.4t(前年比2673%)、湘南地区が1.7t(前年比1414%)、三浦地区が140t(前年比469%)であり、漁獲量の92%を三浦地区が占めた。わかしは6月に西湘地区主体に漁獲がみられ、総漁獲量は2.8tであり、特異的に漁獲量の多かった前年を大きく下回った(前年比15%)

マアジ:

 3月から6月にかけて全域で漁獲がみられた。総漁獲量は1444tであり、前年比176%と大幅に増加した。伊豆地区では390tと前年並み、その他の地区では前年を上回った。漁期の前半は湾奧部(西湘および湘南地区)の漁場で漁獲が多かった。5月は全域で漁獲がみられ、6月は伊豆および西湘地区で漁獲が多かった。じんだの来遊は伊豆および西湘地区では5月よりみられた。じんだの漁獲量は伊豆地区で45.3t(前年比1510%)、西湘地区では16.6t(前年比874%、平年比553%)であり、90年以降で最高であった。湘南地区では1.5t(前年は3kg)、三浦地区で3.5t(前年は173kg)の漁獲がみられ、総漁獲量は66.9tであり、前年比1287%と大幅に増加した。

さば類:

 5月から6月にかけて伊豆地区を主体に漁獲がみられた。総漁獲量は124tであり、前年比25%と大幅に減少した。湘南地区で17t、西湘、三浦および金田湾地区では10tに満たなかった。

マイワシ:

 2月から6月にかけて、三浦および湘南地区主体に漁獲がみられた。総漁獲量は386tであり、前年並みであった。6月に三浦地区で223tの漁獲がみられた。金田湾地区では前年は19tの漁獲がみられたが、今年はほとんど漁獲がみられなかった。ひらごは6月に西湘地区で4.9tの漁獲がみられた。

カタクチイワシ:

 2月から3月にかけては伊豆地区主体に漁獲がみられ、5月から6月にかけて湘南地区主体に漁獲がみられた。総漁獲量は516tであり、前年比111%とやや増加した。湘南地区では5月に198tの漁獲がみられた。湘南地区の総漁獲量は280tであり、前年比491%と大幅に増加した。伊豆地区では170tであり、前年比52%と減少した。西湘地区は35tであり前年比120%とやや増加し、三浦地区では29.5tであり前年比61%に減少した。金田湾地区では1.8tであり、前年比26%に減少した。

スルメイカ:

 伊豆地区主体に期を通じて漁獲され、総漁獲量は166tであり、前年比160%と増加した。伊豆地区の漁獲量は132t(前年比180%)であり、全体の80%を占めた。西湘地区では21tの漁獲がみられ、過去最低であった前年を上回ったものの(前年比150%の増)、平年比62%と不振であった。

2001年上半期(1〜6月)地域別漁獲量


2001年上半期概況
2001年下半期予測
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2001年下半期の予測

海 況

黒 潮:

黒潮流型は全般にC型基調で推移する。

相模湾:

黒潮の流路変動に伴う暖水波及が考えられるものの、相模湾に及ぼす影響は大きくないと予想される。水温はやや低めから平年並みで推移する。

漁 況

マアジ:

0歳魚については6月下旬まで堅調に漁獲があり7月以降も漁獲されている。しかし近年は秋以降0歳魚の好漁が続かない場合が多い。1歳魚については、今年の湾内への来遊水準は高くない。海況も好漁時のパターンではないと予測されている。

(予測)0才魚は前年並みか前年をやや上回る。1才魚は前年並み。全体では前年並みか前年をやや上回る200?300t程度の漁獲量が見込まれる。西湘地区では70から100t程度の漁獲量が見込まれる。

相模湾におけるマアジ漁獲量の経年変化

ブリ:

わかしの相模湾への補給状況は、大量に漁獲された前年より少ないと思われ、相模湾では20?30t程度(平成7?9年レベル)の漁獲と予想される。伊豆地区では10t程度となろう。さらに近年の漁獲状況から川奈以南の漁場を中心に、いなだ?ぶりがまとまって入網することが期待され、特に資源量が多いと推定される去年生まれのいなだ?わらさの入網が多くなるだろう。

さば類:

1999年生まれ群の資源量は残り少ない。2000年生まれ群は資源量がはじめから少ないため、今後の漁獲はあまり期待できないと考えられる。今期主として漁獲される今年生まれのものは、さばっことして漁獲が見られるが、1999年生まれ群には及ばないとみられる。相模湾全体では350?400t程度の漁獲が見込まれ、伊豆地区のさば類漁獲量は250t程度と予測される。

マイワシ:

定置網は今年生まれが主体で、1歳魚(2000年生まれ)が混じる。定置網は当歳魚主体の漁になると思われる。西湘地区では30t程度、他地区でも去年並みの漁獲となろう。
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