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定置漁海況月報 平成22年10月

定置網(落し網)概要図
                 定置網(落し網)概要図


定置網とは
 魚の群れの来遊する場所に網を敷設し、通過をさえぎる垣網に誘導されて入った魚を漁獲する漁具を定置網と呼びます。
 定置網漁法は、アジ、サバ、ブリなど多獲性の回遊魚を効率よく漁獲しながら,イサキ,イシダイ,ホウボウなど多種多様な魚も漁獲できる,優れた特徴があります。生産される魚は200余種に及びます。
 相模湾では200年前から定置網漁業が持続的に営まれており,全国有数の優良な定置網の漁場です。


概 要

 全域の総漁獲量は1,273トンであり平年の0.8倍であった。最も多く漁獲されたのはマルソウダで平年の2.2倍の426トンを漁獲した。第2位はさば類で平年の0.7倍の315トン、第3位はイサキで平年の0.6倍の103トンでそれぞれ平年を下回った。一方、第4位のアカカマスは平年の2.1倍の56トン、第5位のムロアジは平年の5.7倍の42トン、第6位のモロは平年の5.3倍の39トンでそれぞれ平年を上回った。各地域とも上位はマルソウダ、さば類が占める結果となった。



海 況

 期間中の相模湾沖の黒潮流路を図1に、三崎(湾東部)、平塚(湾奥部)、伊東(湾西部)の表層水温(7日間移動平均)を図2に示した。
 黒潮は月の初めから後半にかけて蛇行域が東進し、月の終わりには房総半島沖から大きく離岸する流路となった。その結果相模湾付近は下層や親潮域からの低温な水の影響が強まる傾向が見られた。
 沿岸水温は月初めは各地ともほぼ平年並みであったが、それ以降は平年より1℃前後低く経過した。

上旬

平成22年10月上旬の黒潮流路

中旬

平成21年10月中旬の黒潮流路

下旬

平成21年10月下旬の黒潮流路


   図1 平成22年10月上・中・下旬の黒潮流路と表面水温(関東・東海海況速報より)


10月の相模湾沿岸水温             
            図2  相模湾沿岸表面水温の推移




漁 況

 相模湾の定置網の水揚げを集計し,下図に示した5つの地区別に示した。
伊豆地区は静岡県水産技術研究所伊豆分場調べ。



漁海況月報における相模湾の地区区分
      図3 漁海況月報における相模湾の地区区分



西湘地区(湯河原〜大磯):表1

 総漁獲量は610トンで平年並となった。最も多く漁獲されたのはマルソウダで平年の2.9倍の301トンと総漁獲量のおよそ半分を占めた。第2位はイサキで平年の0.7倍の81トン、第3位はさば類で平年の0.5倍の54トンとそれぞれ平年を下回った。一方、第4位のムロアジは平年の5.8倍の42トン、第5位のアカカマスは平年の4.1倍の31トンとそれぞれ平年を上回り好調であった。


表1 西湘地区の魚種別漁獲量

西湘地区 標本漁場数:10 操業日数:209
漁獲量(トン) 平年(トン) 平年比
1 マルソウダ 301.0 102.6 2.9
2 イサキ 81.2 111.6 0.7
3 さば類 54.0 107.6 0.5
4 ムロアジ 42.2 7.2 5.8
5 アカカマス 30.5 7.4 4.1
6 ヒラソウダ 21.4 30.8 0.7
7 カンパチ 14.4 12.9 1.1
8 ウルメイワシ 13.9 23.6 0.6
9 ヤマトカマス 11.4 44.3 0.3
10 キハダ 5.8 0.1 41.3
その他 34.5 148.4 0.2
総計 610.3 596.5 1.0



湘南地区(平塚〜鎌倉):表2
 
 
総漁獲量は200トンで平年の0.7倍であった。最も多く漁獲されたのはさば類で平年の0.9倍の108トン、第2位はマルソウダで平年並の32トンであった。第3位はカンパチで平年の1.6倍の10トン、第4位のマルアジが平年の3.6倍の7トン、第5位のイサキが平年の0.8倍の6トンであった。

表2 湘南地区の魚種別漁獲量

湘南地区 標本漁場数:6 操業日数:113
漁獲量(トン) 平年(トン) 平年比
1 さば類 107.7 124.0 0.9
2 マルソウダ 31.6 33.1 1.0
3 カンパチ 9.5 5.8 1.6
4 マルアジ 7.0 1.9 3.6
5 イサキ 6.2 8.1 0.8
6 マアジ 5.9 22.3 0.3
7 アカカマス 5.4 9.2 0.6
8 タチウオ 4.7 2.8 1.7
9 ウルメイワシ 3.2 17.7 0.2
10 ヒラソウダ 3.1 4.4 0.7
その他 15.8 64.0 0.2
総計 200.1 293.2 0.7



三浦地区(横須賀〜三浦):表3

 
総漁獲量は200トンで平年の0.9倍であった。最も多く漁獲されたのはさば類で平年の1.5倍の99トン、第2位はマルソウダで平年の2倍の12トンであった。第3位はアカカマスで平年の1.8倍の10トン、第4位のマアジは平年の0.5倍の7トン、第5位のカンパチは平年の0.9倍の7トンであった。

表3 三浦地区の魚種別漁獲量

三浦地区 標本漁場数:7 操業日数:132
漁獲量(トン) 平年(トン) 平年比
1 さば類 99.1 67.0 1.5
2 マルソウダ 11.5 5.7 2.0
3 アカカマス 10.2 5.8 1.8
4 マアジ 6.8 14.6 0.5
5 カンパチ 6.8 7.1 0.9
6 ブリ 6.3 41.8 0.1
ぶり <0.1 <0.1 2.6
わらさ 1.2 0.3 4.5
いなだ 2.3 14.9 0.2
わかし 2.8 26.6 0.1
7 サゴシ 5.3 <0.1 193.5
8 タチウオ 4.0 3.3 1.2
9 マルアジ 3.5 0.9 3.8
10 イサキ 3.3 1.6 2.0
その他 67.3 87.0 0.8
総計 200.3 235.0 0.9



金田湾地区(金田湾):表4

 総漁獲量は平年の0.8倍の6トンであった。最も多く漁獲されたのはタチウオで平年の1.6倍の2トン、次いでさば類が平年の1.1倍の1トンであった。

表4 金田湾地区の魚種別漁獲量

金田湾地区 標本漁場数:2 操業日数:31
漁獲量(トン) 平年(トン) 平年比
1 タチウオ 2.0 1.3 1.6
2 さば類 1.4 1.3 1.1
3 カタクチイワシ 1.1 0
--
4 マアジ 0.6 2.9 0.2
5 アカカマス 0.2 <0.1 11.8
6 カマス類 0.1 <0.1 105.4
7 マルソウダ 0.1 0.2 0.6
8 マルアジ 0.1 0.1 0.8
9 カンパチ 0.1 0.3 0.3
10 サゴシ <0.1 <0.1 <0.1
その他 0.2 1.4 0.2
総計 6.0 7.4 0.8



伊豆地区(熱海〜河津):表5

 総漁獲量は256トンで平年の0.6倍であった。最も多く漁獲されたのはマルソウダで平年の1.7倍の82トンであった。一方、第2位のさば類は平年の0.3倍の53トンであった。第3位のモロは平年の5.3倍の39トン、第4位のヤマトカマスは平年の0.5倍の16トン、第5位のイサキは平年の0.3倍の12トンであった。

表5 伊豆地区の魚種別漁獲量

伊豆地区 標本漁場数:9 操業日数:145
漁獲量(トン) 平年(トン) 平年比
1 マルソウダ 82.0 48.8 1.7
2 さば類 52.9 160.5 0.3
3 モロ 38.8 7.3 5.3
4 ヤマトカマス 15.7 34.8 0.5
5 イサキ 12.1 47.5 0.3
6 アカカマス 9.5 4.0 2.3
7 ブリ 4.8 17.2 0.3
ぶり <0.1 <0.1 <0.1
わらさ 0.5 4.5 0.1
いなだ 4.1 3.3 1.2
わかし 0.1 9.4 <0.1
8 クロマグロ 4.5 2.0 2.2
9 カンパチ 4.5 5.8 0.8
10 トビウオ 3.7 0.9 4.2
その他 32.4 111.5 0.3
総計 256.2 440.5 0.6

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