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定置漁海況月報 平成21年2月

定置網(落し網)概要図
                 定置網(落し網)概要図


定置網とは
 魚の群れの来遊する場所に網を敷設し、通過をさえぎる垣網に誘導されて入った魚を漁獲する漁具を定置網と呼びます。
定置網漁法は、アジ、サバ、ブリなど多獲性の回遊魚を効率よく漁獲しながら,
イサキ,イシダイ,ホウボウなど多種多様な魚も漁獲できる,優れた特徴があります。
生産される魚は200余種に及びます。
相模湾では200年前から定置網漁業が持続的に営まれており,全国有数の優良な定置網の漁場です。


概 要

 全地区の総漁獲量は1,508トンで平年(2004-2008平均)の2.6倍と好調だった。漁獲量第1位はカタクチイワシで平年の1.8倍である616トンを漁獲し、三浦地区と湘南地区で好調となった。第2位はマイワシで平年の18.4倍となる405トンを漁獲し、第3位のマアジは平年の3.2倍となる144トンを漁獲した。第4位のさば類は平年の4.8倍となる111トンを漁獲した。その他、スルメイカ、スズキ、ホウボウ、ウルメイワシ、アオリイカが平年を上回った。ブリでは銘柄わらさ、いなだが平年を上回り好調となった。西湘地区の総漁獲量は平年の3.7倍となる424トン、湘南地区の総漁獲量は平年の6.2倍である541トン、三浦地区の総漁獲量は平年の3.2倍となる240トン、金田湾地区の総漁獲量は平年の0.6倍となる13トンだった。伊豆地区の総漁獲量は平年並みの291トンだった

海 況

 

期間中の相模湾沖の黒潮流路を図1に、三崎(湾東部)、平塚(湾奥部)、伊東(湾西部)の表層水温(7日間移動平均)を図2に示した。

黒潮は期間を通じて離岸傾向で推移したが、月の中旬、下旬には北上域が房総半島に接近することもあった。水温は伊東、三崎、平塚それぞれで2月上旬まで1〜1.7℃高めで推移した。その後、伊東、三崎では月の後半まで平年並みで推移したが、平塚では月の中旬から下旬にかけて平年よりも1〜1.5℃低めで推移した。



上旬

平成21年2月上旬の黒潮流路

中旬

平成21年2月中旬の黒潮流路

下旬

平成21年2月下旬の黒潮流路


   図1 平成21年2月上・中・下旬の黒潮流路(一都三県漁海況速報より)


2月の相模湾沿岸水温             
            図2  相模湾沿岸表面水温の推移




漁 況

 相模湾の定置網の水揚げを集計し,下図に示した5つの地区別に示しました。
伊豆地区は静岡県水産技術研究所伊豆分場調べ。



漁海況月報における相模湾の地区区分
      図3 漁海況月報における相模湾の地区区分



西湘地区(湯河原〜大磯):表1
 
 最も漁獲の多かったのはマイワシで平年の75倍となる193トンを漁獲した。これは2月上旬にマイワシの記録的な大漁があったためであるが、この大漁は海況の影響による特異的なものだと考えられる。第2位のマアジは平年の6.5倍となる71トンを漁獲し、第3位のカタクチイワシは平年並みの69トンを漁獲した。その他、さば類、ホウボウ、ウルメイワシ、スズキ、メイタガレイが平年を上回った。第10位のイシダイは1.6トンで平年を下回った。
 

表1 西湘地区の魚種別漁獲量

西湘地区 標本漁場数:9 操業日数:155
漁獲量(トン) 平年(トン) 平年比
1 マイワシ 193.4 2.6 75.1
2 マアジ 70.5 10.8 6.5
3 カタクチイワシ 68.7 73.0 0.9
4 さば類 39.9 3.1 12.9
5 ホウボウ 22.7 4.6 4.9
6 ウルメイワシ 6.4 1.8 3.7
7 スルメイカ 2.9 3.2 0.9
8 スズキ 2.3 1.0 2.3
9 メイタガレイ 2.2 0.5 4.2
10 イシダイ 1.6 3.0 0.5
その他 12.9 11.5 1.1
総計 423.5 115.1 3.7



湘南地区(平塚〜鎌倉):表2
 
 
最も漁獲が多かったのはカタクチイワシで、平年の7.2倍となる383トンを漁獲した。第2位のマイワシは平年の21.6倍である126トンを漁獲した。第3位のスズキは平年の4倍となる11トンだった。その他、アカカマス、ホウボウ、アオリイカ、ヒラメ、コウイカが平年を上回り、さば類、マアジは平年を下回った。総漁獲量は平年の6.2倍の541トンだった。


表2 湘南地区の魚種別漁獲量

湘南地区 標本漁場数:5 操業日数:77
漁獲量(トン) 平年(トン) 平年比
1 カタクチイワシ 382.7 53.2 7.2
2 マイワシ 125.7 5.8 21.6
3 スズキ 11.0 2.8 4.0
4 さば類 5.9 8.0 0.7
5 アカカマス 2.8 0.8 3.6
6 ホウボウ 2.3 0.4 5.5
7 マアジ 1.7 3.4 0.5
8 アオリイカ 1.5 0.4 3.3
9 ヒラメ 0.9 0.5 1.9
10 コウイカ 0.9 0.3 3.2
その他 5.3 11.1 0.5
総計 540.8 86.6 6.2



三浦地区(横須賀〜三浦):表3
 
 
最も漁獲が多かったのはカタクチイワシで平年の4.4倍となる123トンだった。第2位のマイワシは平年の4.4倍となる35.6トン、第3位のさば類は平年の7.7倍である35トンだった。その他、スズキ、アカカマス、コウイカが平年を上回った。総漁獲量は平年の3.2倍となる240トンだった。
 

表3 三浦地区の魚種別漁獲量

三浦地区 標本漁場数:8 操業日数:138
漁獲量(トン) 平年(トン) 平年比
1 カタクチイワシ 122.9 27.7 4.4
2 マイワシ 35.6 8.1 4.4
3 さば類 35.4 4.6 7.7
4 スズキ 27.4 9.3 2.9
5 マアジ 1.7 5.9 0.3
6 アカカマス 1.6 0.5 3.2
7 コウイカ 1.4 0.6 2.3
8 アオリイカ 1.3 1.2 1.1
9 ケンサキイカ 1.2 2.7 0.5
10 その他ジンドウイカ 1.0 0.8 1.3
その他 14.4 13.5 1.1
総計 239.9 75.0 3.2



金田湾地区(金田湾):表4

 最も漁獲が多かったのはスズキで平年並みの4.5トンを漁獲した。第2位のカタクチイワシは平年の0.3倍の3.5トン、マイワシは平年の1.3倍の2.9トンを漁獲した。マアジは平年の0.4倍の0.4トンを漁獲した。その他、タチウオ、コウイカ、さば類、ホウボウが平年を上回り、その他ジンドウイカ、ケンサキイカが平年を下回った。総漁獲量は平年を下回る13トンだった。

表4 金田湾地区の魚種別漁獲量

金田湾地区 標本漁場数:2 操業日数:34
漁獲量(トン) 平年(トン) 平年比
1 スズキ 4.5 4.7 0.9
2 カタクチイワシ 3.5 11.8 0.3
3 マイワシ 2.9 2.3 1.3
4 マアジ 0.4 1.0 0.4
5 タチウオ 0.4 0.2 2.0
6 コウイカ 0.3 0.2 1.4
7 さば類 0.3 0.1 3.0
8 ホウボウ 0.1 0.0 2.6
9 その他ジンドウイカ 0.1 0.1 0.8
10 ケンサキイカ 0.1 0.2 0.3
その他 0.2 0.6 0.3
総計 12.7 21.4 0.6



伊豆地区(熱海〜河津):表5

 最も漁獲が多かったのはマアジで平年の2.9倍である70トンの漁獲があった。第2位のマイワシは平年の14.7倍となる47.2トンだった。第3位のスルメイカは平年の1.5倍である44.2トンを漁獲した。その他、さば類、ウルメイワシ、ホウボウ、ヤリイカ、アオリイカが平年を上回った。ブリは銘柄わらさ、いなだが平年を上回り好調だった。総漁獲量は平年並みの291トンだった。

表5 伊豆地区の魚種別漁獲量

伊豆地区 標本漁場数:7 操業日数:135
漁獲量(トン) 平年(トン) 平年比
1 マアジ 69.7 24.1 2.9
2 マイワシ 47.2 3.2 14.7
3 スルメイカ 44.2 28.7 1.5
4 カタクチイワシ 38.4 171.9 0.2
5 さば類 29.4 7.3 4.0
6 ブリ 19.6 25.5 0.8
ぶり 17.3 24.6 0.7
わらさ 0.8 0.2 4.4
いなだ 1.4 0.2 8.4
わかし 0.0 0.6 0.0
7 ウルメイワシ 12.8 3.5 3.7
8 ホウボウ 12.1 4.0 3.0
9 ヤリイカ 2.3 1.2 2.0
10 アオリイカ 1.7 0.5 3.6
その他 13.7 16.2 0.8
総計 291.1 286.1 1.0

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