生育状況
- 気温は、穂ばらみ期〜出穂期までは、平年に比較して高温、出穂期以降も引き続き高温傾向である。日照時間は、8月に入り平年並〜やや多日照で経過しており、出穂期以降は平年並みに推移した。
- 出穂期は、平年に比較して早生品種「キヌヒカリ」で4〜5日程度早く、中生品種「さとじまん」は平年より1〜3日程度早くなった。
- 出穂期以降20日間の気温は高く推移したので、後期高温障害(9月の高い夜温による)の基白米、背白米の発生がみられたが、心白米等は少なかった。また、強風や内穎褐変病等による「褐変籾」の発生が一部の地域に見られた。
- 病害虫については、コブノメイガが多く発生したが、その他に紋枯病、イネツトムシ、ニカメイチュウについては、場所によって被害が確認された。 また、内穎褐変病の発生が特に「さとじまん」に多く確認された。
- 成熟期は、「キヌヒカリ」「さとじまん」とも平年より3〜5日程度早くなった。 収穫作業は、早期栽培で9月4日頃より始まり、早植地域で9月15日頃から本格的に始まったが、全体的に平年並みの収穫となった。「さとじまん」は10月上旬の降雨のため平年より遅れた。
収量調査結果の概要
- 10月上旬までの各地域における収穫期の調査では、稈長は「キヌヒカリ」で平年並み、「さとじまん」は平年より長くなった。また、「キヌヒカリ」「さとじまん」とも穂長は平年並〜やや短く、単位面積当たりの穂数は、平年並〜やや少なかった。1穂当たり籾数、総籾数は平年並み、千粒重はいずれも平年よりやや低くなり、玄米収量は概ね平年より低くなった。
- 玄米品質の概況について、「キヌヒカリ」は乳白米、心白米の発生が多少見られたが昨年より少なく、高温障害の影響は少なかったと思われ、外観品質は概ね良かった。胴割米、茶米や一部に斑点米カメムシの被害も見られ、検査等級は昨年よりも1等米比率が低くなっている(11月17日現在)。「さとじまん」は、高温による影響が見られ、基白米、背白米の発生が多かった。また、粒細、変色米(茶米等)も多く、地域によってばらつきが見られた。
農業技術センター(平塚市)での品種別・作期別成熟期予測
| 品種名 | 作期 | 本年出穂期 (対平年差) |
登熟積算温度 |
登熟積算温度 到達日(対平年差) |
登熟日数 |
|---|---|---|---|---|---|
| キヌヒカリ | 5月下旬植 | 8月4日 (−2日) |
1,030度 | 9月9日 (−4日) |
36日 |
| 6月上旬植 | 8月7日 (−3日) |
1,030度 | 9月12日 (−4日) |
36日 | |
| 6月中旬植 | 8月14日 (−3日) |
1,100度 | 9月23日 (−5日) |
40日 | |
| さとじまん | 5月下旬植 | 8月10日 (−1日) |
1,050度 | 9月17日 (−3日) |
38日 |
| 6月上旬植 | 8月15日 (−3日) |
1,050度 | 9月23日 (−3日) |
39日 | |
| 6月中旬植 | 8月19日 (−2日) |
1,100度 | 10月1日 (−3日) |
43日 |
普及指導部現地試験結果(確定値)
| 品種名 | 栽培地作期 | 稈長 | 穂長 | 穂数 | 玄米重 | 千粒重 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| キヌヒカリ | 厚木市 5/15植 |
71.8cm (92%) |
15.8cm (94%) |
346本/平米 (92%) |
375kg (71%) |
21.4g (96%) |
| 南足柄市 5/15植 |
86.3cm (105%) |
18.0cm (99%) |
354本/平米 (90%) |
478kg (80%) |
21.3g (94%) |
|
| 伊勢原市 6/6植 |
85.0cm (106%) |
17.9cm (103%) |
368本/平米 (95%) |
471kg (96%) |
21.3g (96%) |
|
| さとじまん | 平塚市 6/1植 |
77.2cm (101%) |
21.7cm (104%) |
334本/平米 (116%) |
580kg (110%) |
23.2g (100%) |
| 海老名市 6/5植 |
77.2cm (104%) |
20.0cm (95%) |
282本/平米 (89%) |
493kg (93%) |
22.7g (95%) |
|
| 伊勢原市 6/12植 |
72.3cm (100%) |
20.1cm (99%) |
336本/平米 (103%) |
502kg (91%) |
21.2g (91%) |
参考資料 水稲収量調査結果