水稲の田植え前後の管理について

内容

  • 苗の生育は、日照・気温とも平年より高く推移したため、比較的順調であった。
    ただし、一部で高温による出芽不良も見られた。また、5月第6半旬の気温は平年より低く推移したため、緑化期の管理等により苗の伸びが遅くなったものも若干見られた。
  • 6月の平均気温は平年並または高い予想で、曇りや雨の日が多い。
  • 多雨が続く場合は、水管理および農薬散布に注意する。
  • 害虫の発生は平年並みだが、イネミズゾウムシはやや少ない傾向にある。

留意点

今後の水稲の技術指導において、次の点に留意する。

1.田植え時の注意
  • 植え付け株数は坪当たり60株、10a当たり18箱以下の疎植とする。
  • 4〜5株の連続欠株以下では、周辺株の補償作用により、収量に影響はない。
  • 3cm以上の深植、7cm以上の深水、不適切な除草剤処理でなければ、添え植えは必要ない。
  • 田植え直後の低温によって、活着および生育が悪い場合は、水温を確保するため掛け流し等は行わない。

2.低温、深植え、除草剤の薬害等による水稲の初期生育が遅れる場合があるが、生育促進を目的
  とした追肥は行わない。

*こうした場合の生育の遅れは、根の活性が弱く肥料を吸収できないことによるためであり、元肥の肥料分は
  残っている。 また、初期の追肥は過剰生育や倒伏の原因になりやすい。


3.除草剤使用上の注意
  • 水管理が適切に行えるよう、畦塗りをていねいに行い、水口・水尻を整備する。
  • 代かき等による漏れ水を防止し、水が均一かかるよう圃場を均平にする。
  • (注)代かき後から雑草が動き出すため、代かき〜田植えまでの日数を5日以上空けない。

  • 除草剤処理後、7日間止め水に努める。
  • *除草剤の処理層を形成させるため、かけ流しをせず、湛水状態を保つ。


○大水によって、苗が水没した場合は、水尻を開けて水位を下げるなど水管理を徹底する。   

(参考)(財)日本植物調節剤研究協会 技術情報  http://www.japr.or.jp/gijyutu/012.html


参考

 現時点の稲の生育や天候では、今後の予測はできないが、平年値を次に示す。

     農業技術センター(平塚市)での平年値(概ねの目安)

    作期 品種・系統名 平年出穂期 平年中干し時期 穂肥時期
    5月下旬植 キヌヒカリ 8月 6日 7月 6日〜11日 7月15日頃
    さとじまん 8月14日 7月10日〜15日 7月30日頃
    6月上旬植 キヌヒカリ 8月11日 7月12日〜17日 7月20日頃
    さとじまん 8月20日 7月15日〜20日 8月 5日頃
    6月中旬植 キヌヒカリ 8月17日 7月19日〜24日 8月 1日頃
    さとじまん 8月25日 7月22日〜27日 8月10日頃

    中干しは、好天の場合は3〜5日程度と短く、降雨が多い場合は5〜7日程度と長くする。
    大きな切れ目ができる程度に強く中干しを行うと、稲の根を切断し、後半の生育を抑制するので控える。