ゆで豆用落花生の新奨励品種「郷の香」

 ゆで豆用落花生「郷の香」が、平成13年(2001年)に推奨品種に採用されました。 「郷の香」は良食味、多収の早生品種で、従来のゆで豆用品種「ユデマサリ」に替わります。

 「郷の香」は、1979年に千葉県農業試験場落花生研究室(農林水産省らっかせい育種指定試験地)において、 「関東42号」(後の「ナカテユタカ」)を母に、「八系192」を父として人工交配を行った後代から育成されました。 1991年に「関東80号」の地方番号を付名し、1995年「郷の香」と命名されました。 神奈川県においては1992年から1994年および1996年から2000年に優良品種選定試験を実施し、 特性および生産力を検討したところ、有望と認められました。


「郷の香」の特性
1.収穫日は3日程度「ユデマサリ」より遅い、早生品種である。
2.主茎長は「ユデマサリ」より約3cm長い。
3.最長分枝長は「ユデマサリ」より約4センチ長く、総分枝数は並である。
4.耐倒伏性は強く、「ユデマサリ」並である。
5.収量性は「ユデマサリ」に優り、多収である。
6.莢の外観品質は「ユデマサリ」並の“やや上”である。
7.食味は「ユデマサリ」に優り、良食味である。

栽培上の留意点
1.さび病には、やや弱いので注意する。
2.収穫が遅れると、子実の品質や食味を低下させるので適期収穫する。


郷の香

*「郷の香」のデータ

表1 生育調査および病害虫調査結果

品種名

開花期

(月日)

収穫期

(月日)

主茎長

最長分枝長

一次分枝数
(本/株)

総分枝数(本/株)

倒伏

褐斑病

黒渋病

さび病

汚斑病

白絹病

郷の香

6.26

9.7

27.5

32.9

5.6

12.1

0.0

0.5

0.5

0.5

0.5

0.5

ユデマサリ

6.25

9.4

24.3

28.3

5.8

11.5

0.0

0.5

0.5

0.5

0.5

1.0

注1)試験年次:1992から1994、1996、1998から2000

注2)普通栽培(露地栽培)

注3)倒伏および病害虫の評価:0(無)から5(甚)



表2 ゆで豆の収量および食味調査結果

品種名

総莢重
(kg/a)

上莢重

対標準比
(%)

上莢
歩合
(%)

莢の
外観
品質

食味

成熟莢(kg/a)

中間莢(kg/a)


(kg/a)

郷の香

62.3

28.7

22.0

50.8

119

81.5

やや上

ユデマサリ

52.4

27.0

15.8

42.8

(100)

81.7

やや上

やや上

注1)試験年次:1993、1995、1996、1998から2000

注2)収穫期はゆで豆としての時期

注3)莢の外観品質および食味:上,やや上,中,やや下,下



神奈川県の推奨品種
 神奈川県の落花生作付面積は274ha(平成12年)で全国3位です。 農業総合研究所生物資源部では、落花生の品種選定試験を実施しております。 ここで優良と認められた品種を相州落花生協議会が推奨品種として認定します。 現在、3品種があります。


改良半立:煎り豆用品種・良食味
ナカテユタカ:ゆで豆、煎り豆兼用品種・多収
郷の香:ゆで豆用品種・良食味