神奈川県水産技術センター 内水面試験場

ミヤコタナゴふ化観察記録

 神奈川県では、横浜市の権田池を最後に自然水域から姿を消してしまいました。
しかし、その生残個体から県淡水魚増殖試験場(現内水面試験場)が増殖に成功し、遺伝子保存のための継代飼育を行っています。
 試験場では次のステップとして、本種を自然水域へ戻し生息地を復元するための研究をしています。 本種は、マツカサガイ等の淡水産二枚貝の鰓の中に卵を産みつけます。
 卵は5日程でふ化しますが、ふ化後約20日間(水温20度)は貝をゆりかごとして過ごします。
 貝から泳ぎ出した稚魚は、プランクトン等を食べて成長し1年間で成熟します。
 自然水域での寿命は約2年ですが、飼育していると3〜5年生存する個体も少なくありません。
全長6cm程度に成長します。

人工採卵 成熟した、雌の腹部を軽く押すと、卵が産卵管をとおして出てきます。
この卵に雄の精子をかけ、受精させます。
tamago 貝の中に産み付けられる卵(2mm)。
この卵は、人工採卵で得られた卵です。
1回に1尾の親から5〜10個採卵できます。
ふ化直後の仔魚(3.5mm)
水温20℃で約3日でふ化します。
魚と言うよりは、オタマジヤクシのような形をしています。 
6day ふ化後6日目の仔魚
体がスマートになり眼もはっきりしてきました。
仔魚は、卵黄の栄養だけで成長しています。
浮上直後 浮上直後の仔魚
約3週間(20℃)で貝から泳ぎだし、プランクトン等を食べ始めます。
マツカサガイ 産卵母貝となるマツカサガイ。
この貝の鰓葉に卵を産み付けます。
神奈川県にはもうほとんどいません。
 貝の中のふ化仔魚  卵は、エラの間で育ちます 
  浮上後1年の稚魚(全長30mm)
この頃の稚魚は、活発に泳ぎ回り、水生昆虫や藻類など何でも食べて成長します。 
 オス 雄 (全長60mm)

産卵期(4〜7月)になると雄は全体に青みが強まり、
ヒレの一部がオレンジ色になってとても美しくなります(婚姻色)。
 メス 雌(全長50mm)

雌は地味な銀褐色で雄と比べると体高が低く、全体に細長い。
産卵期になると産卵管が伸張しこれで貝の中に卵を産み付けます。 

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