神奈川県水産技術センター 内水面試験場
目 的
ミヤコタナゴは日本産の小型のコイ科魚類である。絶滅の恐れがあるため、昭和49年に国の天然記念物に指定されたが、県下の自然水域から姿を消した。当場では、主として人工授精による種苗生産を行い、遺伝子の保存に努めている。
方 法
60cmガラス水槽6面を使用し、各水槽に 2才魚を雌雄20尾、合計 120尾入れた。
水温調節と白色蛍光灯の点灯(12時間/日)により成熟させ、平成 8年 4月11日から 6月25日にかけて人工授精による増殖を行った。 採卵・採精は搾出法で行い、シャ−レで湿導法により授精させた。親魚は、 1尾の雌に対して 1尾の雄を使用した。受精卵は、採卵親魚別に塩水(0.01%)のビ−カー( 100cc)に入れた。ふ化後、死卵および卵殻を除去し、収容尾数が30尾以下になるように 1リットルビ−カ−に移し、浮上までの約20日間、恒温槽の中で水温20℃(暗所)で管理した。
浮上後は、60cmガラス水槽に移し、飼料としてアルテミア、海産稚仔魚用配合飼料、熱帯魚用配合飼料を与え、上面式及び底面式循環ろ過方式で飼育を行った。
結 果
延べ 160尾の雌親魚から 1,016粒を採卵し、 746尾がふ化し(ふ化率 73.4%)、628尾の浮上仔魚を得た(浮上率 61.8%)。