神奈川県水産技術センター 内水面試験場
神奈川県には、東は多摩川から西は千歳川まで、多くの河川や湖沼が存在し、多様な内水面水域が展開しています。
しかし、急激な都市化に伴う水量の減少、水質の悪化、河川改修による堰や護岸の設置等による環境の変化は、淡水魚の生息域を直撃しました。神奈川県版のレッド・デ−タ・ブック(2006)によれば、絶滅及び絶滅危惧種は20種にも及び、ミヤコタナゴやヤリタナゴのように、自然水域からその姿を消してしまった種さえいます。
内水面試験場では、絶滅に瀕した希少魚を保護し、健全な内水面生態系の復元を目的とした調査研究に取り組んでいます。その内容は、希少種の分布・生態調査、飼育下における希少種の飼育・増殖技術の確立および自然水域における生息地復元研究です。その手順は、まず、河川や湖沼を調査して、希少種の現状を把握し、プライオリティの高い種から飼育し繁殖させます。さらに、増殖技術が確立した種から自然水域へと展開し、放流試験等によって、最終的に自然水域での生息地復元を図ります。
すなわち、希少種をシンボルとして、生物から見た豊かな水域環境の保全・復元を行うもので、現在、取り組みを行っている代表的な魚について、以下種ごとに述べます。
| 絶滅 | 野生絶滅 | 絶滅危惧TA | 絶滅危惧TB | 絶滅危惧U類 | 準絶滅危惧 | 注目種 |
| 絶滅(すでに絶滅したと考えられる種) | |
| 絶滅(県) ・準絶滅危惧(環境省) |
タナゴ 河川中下流域のながれの緩やかな水域や湖沼に生息し、雑食性で水生小動物などを食べます。ドブガイ等の二枚貝の鰓内に産卵します。鶴見川および相模川から記録されていますが、過去の資料は極めて少なく、最近の調査では全く記録がないので、絶滅したものと推定されます。 |
| 絶滅(県) | ヤリタナゴ 平野部の細流に生息し、県内の谷戸や農業用水路に広く生息していたと考えられています。雑食性で水生小動物などを食べます。マツカサガイ等の二枚貝の鰓内に産卵します。 多摩川、相模川および酒匂川の各水系に生息していましたが、最近の調査では全く記録がなく、絶滅したものと推定されます。 |
| 野生絶滅(飼育・栽培下でのみ存続している種) | |
| 野生絶滅(県) ・絶滅危惧TA類(CR)(環境省) |
ミヤコタナゴ 国指定の天然記念物です。最後の生息地である横浜市内のため池から救出され、当場で増殖に成功しました。 現在は二枚貝を使用しない人工受精による増殖手法と二枚貝を使用した自然産卵による増殖手法で継代飼育を行っています。 最近、生産した種苗を用いて、自然水域での復元研究を展開しています。 当場では、本種の繁殖を目的に造成されたビオトープで、ミヤコタナゴと二枚貝、貝の寄生宿主であるトウヨシノボリを放流し、復元に必要なデータを収集しています。毎年、数千尾のタナゴ稚魚が見られます。 さらに、横浜市と藤沢市の試験池において、網生けすを用いた放流試験を行い、復元に必要なデータを収集するとともに、放流候補地の選定を行いました。結果として、横浜市内のため池2箇所が候補地となり、平成9年から放流試験を行っています。両試験池ともに繁殖が確認され、ドブガイも増えています。 |
| 野生絶滅(県) ・絶滅危惧TB類(EN)(環境省) |
ゼニタナゴ 本県最後の生息地である横浜市内のため池では、タイリクバラタナゴが大量に繁殖し、ゼニタナゴは急激に減少しました。 最近の調査では全く採集されていません。本県はゼニタナゴ自然分布の西限および南限に位置するため、その個体群は非常に貴重です。 試験場では、少数の採集個体から繁殖に成功し、継代飼育を行っています。自然採卵による増殖手法ではドブガイを使用していますが、大量生産には成功していません。人工受精による増殖試験も開発中であり、ふ化仔魚の飼育条件等様々な検討を行っています。 増殖技術の開発と併せて、放流候補地の調査も実施し、市民団体と協力してビオトープの試験も行っています。 |
| 絶滅危惧種TA(県)ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種 | |
| 絶滅危惧種TA類(県) ・絶滅危惧U類(VU)(環境省) |
ギバチ 相模川水系と鶴見川水系のごく限られた範囲にしか生息していません。採集個体数も少ないので、まさに風前の灯火です。 本県はギバチの自然分布域の南限および西限に位置するので、その生息地は貴重です。 当場では平成8年度から増殖試験に取り組み、平成9年度に種苗生産に成功しました。採卵は、雄と雌をホルモン注射して放養し、産卵水槽には自然石や塩ビ管等を入れて行っています。雄1尾に対し雌を複数使用するとうまく産卵します。ふ化稚魚はアルテミアと海産初期飼料を与えています。大きくなるとお互いなわばりを主張し、噛み合いをするのが難点です。 生態試験池では生息地復元の研究を行っていて、毎年多数の稚魚が出現しています。 |
| アカザ 相模川水系の上流域からのみ採集されています。最近の調査で、その生息地は極めて狭い範囲であることがわかってきました。 本種が採集される場所は、河川形態はAa-Bb移行型で、大きな石が点在する瀬またはトロの石の下に潜んでいます。 試験場では、ホルモン注射により、小型水槽で産卵させることに成功しましたが、大量生産には至っていません。 |
|
| メダカ 県下の多くの主要河川から採集されていますが、その多くは人為的な放流による二次的分布である可能性が高いと考えられています。当場が把握しているだけで、十以上の団体や個人がヒメダカや業者から購入した他地域のメダカを自然水域へ放流していることを確認しました。 メダカは最近の研究で、外部形態や遺伝子組成の違いにより、4つの大きな集団に分けられ、さらに細かい小集団が存在する事が解っています。一部で行われている無秩序な放流は、異なる地域のメダカを混ぜ合わせ、地域個体群が失われてしまいます。 酒匂川水系のメダカは、生化学的に分析され、過去と現在の遺伝子組成にほとんど変化がないことが判明し、在来のメダカと推定されました。この地域は童謡「メダカの学校」が生まれた場所であり、文化的な意味からも貴重な生息地です。現在、この生息地では市民団体が中心となって、保護活動を展開しています。小田原市もこの活動を支援し、メダカのお父さんお母さん制度を開始しました。当場も全面的に協力しています。 また、自然の生息地こそ失われましたが、藤沢市や横浜市、鎌倉市等で地域のメダカが飼育下で発見され、保護活動が盛んになってきました。藤沢市では、境川のメダカが旧家の池で奇跡的に生残していることが判り、小学校の先生達が「藤沢メダカの学校をつくる会」を結成し、市内小学校のすべてで環境教育の教材として藤沢メダカを使用しています。当場や行政、水族館も協力して、地域ぐるみの取り組みを行っています。 |
|
| 絶滅危惧種TA類(県) | ヤマトイワナ イワナの仲間は、水温の低い河川上流域に生息し、水生昆虫や甲殻類、魚類などを捕食しています。渓流域の代表種であり、釣魚として人気が高い魚です。そのため、昔から丹沢周辺域の渓流では放流が行われ、現在では、相模川、金目川の上流域に広く分布します。過去の文献から、相模川水系での確実な分布は山梨県の道志川上流などで、酒匂川水系には本来は分布しないとする説もあります。在来の個体群もしくはその遺伝子を残した系統群は、ヤマトイワナと推定されていますが、その水域は極めて限定され、相模川の渓流域に数箇所存在するだけです。 |
| ヤマメ 河川上流の渓流域に生息し、水生昆虫や甲殻類、魚類などを捕食します。本亜種は、イワナと同様に渓流の釣魚として人気が高く、漁業権魚種として相模川、酒匂川、早川、千歳川で放流が行われている他、釣り団体や有志による放流も多いようです。現在では、相模川、金目川、酒匂川、早川、千歳川などに生息しています。しかし、在来の個体群の生息水域は極めて限定され、その可能性のある支流は全県で5〜6箇所です。 試験場では漁協やNPOと連携して在来ヤマメの生息地調査とその可能性のある水域において産卵場の造成に取り組んでいます。 |
|
| アマゴ 本亜種は、ヤマメと亜種関係にあり、酒匂川水系がその分布境界線と考えられ、河内川などの丹沢側にはヤマメ、静岡県から流入する鮎沢川には本亜種が生息するとされています。しかし、過去の記録や情報は混沌としており、検証が可能な標本も残っていないので、本県におけるヤマメとアマゴの自然分布の詳細についてはよくわかっていません。 両亜種の判別は朱班の有無による外部形態からだけでは困難であり、本県在来のヤマメは側線付近に朱色及び側線下の体側に朱班のあるものとする説もあります。ヤマメと同様に釣魚として人気が高いため、各地で放流が行われています。現在の分布域は相模川、酒匂川、早川、千歳川の上流域です。 |
|
| カマキリ(アユカケ) 相模川と酒匂川に生息しアユカケとも言われています。夜行性なので、懐中電灯を照らしながら、覗き眼鏡を使用して夜間に調査を行っています。昼間の調査では、ほとんど採集できませんが、夜になると浅い瀬やトロに出てきます。ハゼ類と異なり、電灯で照らしても成魚はじっと動かず石に擬態します。これをカマキリの「石化け」と言います。 採集地点は、河川の下流域に限定されています。これは、堰(せき)によってそ上が妨げられている証拠であり、大きな問題点です。本種のようなそ上能力の低い底生魚が、本来の生息場所である中流域まで容易に移動できる工夫が必要です。 試験場では採集した個体を用いて増殖試験を行っています。 |
|
| 絶滅危惧TB(県)TA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種 | |
| 絶滅危惧TB類(県) ・絶滅危惧U類(VU)(環境省) |
スナヤツメ 県内の河川では、相模川水系と酒匂川水系および境川水系に生息しています。 相模川水系の道保川は県随一の生息地で、生息密度が高く、資源的に安定している貴重な水域で、定期的に生態調査を行っています。 本種は、最近の研究で、生化学的分析により2つのタイプに分類され別種と考えられています。 |
| 絶滅危惧TB類(県)・絶滅危惧TB類(EN)(環境省) |
ホトケドジョウ |
| 絶滅危惧TB類(県) | キンブナ 河川の中下流域や湿地帯に生息し、雑食性で水生昆虫や藻類等を食べています。産卵は、水草に産み付けます。県内各地の河川本流域と関連する水田や用水路等の湿地環境に生息していたものと推定され、多摩川、境川、鶴見川、相模川、金目川、中村川などから記録されています。多摩川、相模川などでは、時折、ギンブナに混じり本種が採集されていますが、ギンブナのように群れで大量に捕獲されることはなく、個体数は少ないようです。また、キンギョ等との交雑による遺伝的攪乱が生じている可能性もあります。本種の現状を正確に把握するためには、県下のキンブナの外部形態の詳細や遺伝的な解析が必要です。 |
| タカハヤ 河川の上中流域、山あいの湖沼などに生息します。雑食性で水生昆虫、落下昆虫、付着藻類、植物種子などを食べています。産卵期は初夏、淵や平瀬の砂泥底・砂礫底に集団で産卵します。 県西部の白糸川と新崎川から記録があります。また、この他にタカハヤとアブラハヤの中間的な形質を持つ個体が、白糸川、新崎川および千歳川で確認されています。本種の自然分布域は太平洋岸においては静岡県以西とされ、伊豆半島の太平洋岸の流入河川にも生息しています。しかし、白糸川と新崎川にも生息することから、分布東限と考えることができ、今後の動向に注目する必要があります。なお、大岡川にも本種が生息しますが、移入による2次的な分布と考えられています。 |
|
| カワアナゴ 多摩川、境川、相模川等の河口付近に生息します。カワアナゴは夜行性のめ、昼間の調査では採集しにくく、夜間に懐中電灯で照らしながら、箱眼鏡で調査すると、ブロックや石の脇等で見ることができます。本種とその近縁種は、産卵生態等の生活史がよくわかっていません。そのため、まず、各河川の個体群がどこで産卵し、稚魚はどこで育つのか、生活史を解明することが必要です。その上で保護に必要な最良の対策を検討すべきでしょう。試験場では、採集した個体を親魚として養成し、繁殖試験を行いました。大量のふ化仔魚を得ましたが、仔魚育成には失敗しました。検鏡結果から、アユの種苗生産に用いているシオミズツボワムシでは初期飼料として大き過ぎ、ほとんど摂餌できなかったようです。 |
|
| トビハゼ 絶滅のおそれのある地域個体群(東京湾奥部のトビハゼ;沖縄島のトビハゼ・国) 干潟のある河口域に生息し、小動物を捕食しますが、冬季は巣穴で越冬し、餌も食べません。産卵は春から夏、泥中に産卵巣を作り、天井に産卵します。 川崎市から横浜市にかけての沿岸の埋立が進み、都市化される以前には、河口干潟にごく普通にみられた魚類でしたが、県下では1988年における鶴見川の記録以外に報告はありません。その後、多摩川において成魚の営巣や稚魚が確認されました。しかし、以前から個体群が維持されていたのか、在来の個体群が一度絶滅し、東京湾湾奥の個体群が新たに加入したものなのかはわかっていません。いずれにしろ、現在の多摩川下流域の環境は一時期よりは回復してきてはいるものの、生息域はヨシ帯のごく一部に限られており、予断を許さない状況です。 |
|
| 絶滅危惧種U類(県)絶滅の危険が増大している種 | |
| 絶滅危惧U類(県) | マルタ 大河川の中下流域に生息し、雑食性です。繁殖期は初夏で、群れで瀬に産卵し稚魚は海へ降ります。本種は多摩川ではかつて普通に見られましたが、水質汚染の進行で1970から1980年代には姿を消しました。しかし、最近は水質環境の改善とともに、資源が回復傾向にあります。鶴見川や大岡川、侍従川からも採集されています。 |
| ニゴイ 大河川の中下流域に生息し、大型魚は深い淵を好み、雑食性で水生昆虫や貝等を食べています。産卵期は春から初夏、砂礫底に産卵します。過去には大河川では普通の魚でしたが、生息地が減少しており、現在の生息地は多摩川、相模川、金目川および酒匂川です。しかし、相模川水系では安定した資源量を保っていますが、他の河川での生息域は限られています。 |
|
| カジカ 相模川や金目川、酒匂川等の上流に大卵型が生息していますが、砂防堰堤や上流域での取水による水量の減少により、生息地が激減しています。特に東丹沢の相模川水系での分布の縮小が目立ちます。本来は河川の上中流で最も普通に見られる魚でしたが、河川改修や水質悪化などの環境変化に弱い魚です。分布調査と平行して増殖試験も行っています。 |
|
|
準絶滅危惧現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種 |
|
| 準絶滅危惧(県) | アブラハヤ 河川の上流域から中流域にかけて生息します。雑食性で底生動物、付着藻類、落下昆虫などを食べ、産卵期は春から初夏、淵や平瀬の砂泥底・砂礫底に集団で産卵します。 過去には県内各地の谷戸の支流や湧水の入る河川本流域には普通の魚でしたが、現在は都市化の進んだ地域の中・小規模河川で減少が目立ちます。生息地である谷戸が開発によって失われつつあることが、その水系全体の減少に関係していると推定されます。県下の主要河川に生息し、相模川や酒匂川などの県中部および西部の主要河川では健在ですが、県中部の葛川や中村川、県東部の境川、鶴見川、引地川などではかなり生息域が縮小しています。 本種はホトケドジョウと同様に湧水に依存しているので、川崎市や横浜市などの都市河川では河川環境を反映する魚として注目されています。 |
|
ウグイ |
|
| カマツカ 川の中下流域や湖の沿岸とこれに連絡する灌漑用水路に生息します。主に底生動物をとる雑食性で、産卵期は春から初夏、浅くて流れのゆるやかな砂礫底に産卵します。 多摩川、鶴見川、相模川、金目川、酒匂川などに生息していますが、最近は分布域が縮小傾向にあります。酒匂川水系では移植による二次的な分布と考えられています。 河川の上中流域、山あいの湖沼などに生息します。雑食性で水生昆虫、落下昆虫、付着藻類、植物種子などを食べる。産卵期は春から夏、淵や平瀬の砂泥底・砂礫底に集団で産卵します。 |
|
| シマドジョウ 河川中流域から下流域上部にかけての、砂底ないし砂礫底域に生息します。底生動物やデトリタスを砂と一緒に取り込み、餌だけ食しています。繁殖期は春で、雄が雌に巻きついて産卵します。 県内の主要河川に分布していましたが、最近は減少傾向にあります。水質の良好な支流域のほか、大河川本流の中流域が現在の主要な生息場所です。しかし、分布域は確実に縮小しており境川や鶴見川などの東部河川の支流域では絶滅が危惧される水域もあります。 |
|
| ボウズハゼ 本来の生息域は河川の上中流域で、流れのある瀬を好み、付着藻類を食べています。卵は大き目の石の下に産み付けられ、雄が守ります。ふ化仔魚は海へ降り、ある程度成長した稚魚期に河川を遡上します。 本種は三浦半島の河川、滑川、相模川、酒匂川、早川、千歳川など、県内の主要河川から採集されています。生息個体数が多い河川は、早川、新崎川、白糸川、新崎川など県西部に偏っています。本種はその食性と関係して流れのある瀬に生息しており、最近は河川流量の減少や河川改修の影響で、荒瀬が減少しているので、本種の生息水域は狭められつつあります。 |
|
| スミウキゴリ 主に河川下流から汽水域に生息しています。動物食性でエビや水生昆虫、小魚などを食べています。卵は石の下などに産み付けられ、雄が守ります。ふ化仔魚は海へ降り、ある程度成長した稚魚期になると河川を溯上します。 本種は、鶴見川、神戸川、相模川、金目川、酒匂川、早川、千歳川などから採集されています。しかし、生息個体数が多い河川は、早川、新崎川、白糸川、新崎川など県西部に偏っており、しかも、最近の生息水域は狭められつつあり、広範囲な生息域がある河川は限定されています。 |
|
| ゴクラクハゼ 河川の下流域の砂礫底に生息し、流れの緩やかな水域を好みます。小動物や付着藻類を食べる雑食性です。産卵期は夏から秋、卵は石の裏側に産み付けられ、雄が守ります。ふ化仔魚は海へ降り、ある程度成長した稚魚期になると河川へ溯上します。 森戸川、境川、相模川、金目川、酒匂川、早川など、県内の主要河川の下流域に生息しています。しかし、採集記録は少なく、分布範囲も限定されています。いずれの生息地でもヨシノボリ類ほどは生息個体数が多くないので、今後の動向に注目する必要があります。 |
|
| オオヨシノボリ 河川の上中流域の流れの早い水域に生息します。雑食性で小動物や付着藻類を食べます。産卵期は夏から秋、卵は石の裏側に産み付けられ、雄が守ります。ふ化仔魚は海へ降り、ある程度成長した稚魚期になると河川へ溯上します。 境川、鶴見川、相模川、酒匂川、早川など、県内の主要河川の上中流域に生息していますが、生息水域は多くはありません。ある程度の個体数が生息している水域は、相模川支流の中津川や金目川上流域など限定されています。 |
|
|
ルリヨシノボリ |
|
| クロヨシノボリ 河川の上中流域に生息し、淵に多いハゼです。流程の短い小河川で多く見られ、雑食性で、付着藻類や小型の水生昆虫を食べます。産卵期は春から夏、卵は石の裏側に産み付けられ、雄が守ります。ふ化仔魚は海へ降り、ある程度成長した稚魚期に河川へ溯上します。 酒匂川などの主要河川の他、北川、前田川、松越川、白糸川などの小河川からも記録があります。しかし、本県のヨシノボリ類の中では最も生息河川が少なく、確実な生息地が限定されています。 |
|
| 注目種(県) 特殊なもののうち、県内における衰退はめだたないが、環境悪化が生じた際には絶滅が危惧される種 | |
| 注目種(県) | イッセンヨウジ 黒潮の影響を受ける沿岸の河川で見られます。ツマヨウジのように細長く、皮膚は硬く、顔に一本の黒い筋があるのが特徴です。 純淡水産で川の浅瀬などに生息します。 |
| ウロハゼ 河川汽水域に生息し、砂底や砂泥底の転石下などに潜みます。夜行性で、魚類や甲殻類を捕食しています。 県下では相模川から初めて記録され、その後、多摩川では1995年頃から確認され、さらに鶴見川では近年増加傾向にあります。本種は紀伊半島以南では個体数が多く、護岸による環境改変の進んだ河川河口でも砂泥底に転石が豊富な環境であればふつうに見られる魚です。過去の記録がないことを考慮すると、本種は近年増加傾向にあり、暖冬傾向と関係がある可能性があるため、県RDBでは「注目種」としています。 |
|
| ナマズ 境川、相模川、酒匂川等に生息しますが、最近では、県東部における減少が顕著です。 ナマズは河川の生態系の頂点に位置し、小魚やエビ等を大量に捕食します。そのため、ナマズが生息する水域は、エサとなる小魚が多く、豊かな水域と言え、本種を環境の指標種とすることができます。今後も、その分布や資源量の変動に注目することが大切です。試験場では採集した個体を使用して親魚養成試験を行っています。 |
|
| テングヨウジ 黒潮の影響を受ける沿岸の河川で見られます。特に県西部の酒匂川では記録も多いようです。仔魚は海で育ちますが、ある程度成長すると河川へ入ります。本県が分布の北限にあるため「注目種」としています。 |
|