生態試験池におけるギバチの繁殖および移動
絶滅危惧種のギバチを対象に、生息地復元の基礎データの収集を目的として、試験場の人工河川・生態試験池に多摩川産ギバチを放流し、繁殖、成長、移動などの生態を調査しました。
調査方法は、2004年から2008年にかけて年間3〜6日間、合計21日間、エレクトリック・フィッシャーを用いてギバチを採集し、体長および体重の測定後、採集場所へ再放流しました。
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2006〜2007年には、イラストマー・タグを用いてギバチの個体識別を行い(図1)、移動生態について調査を行いました。 |
| ギバチは、2006年8月まではB・C水域から確認されるだけでしたが(図2)、2007年には試験地全域へと分布を拡大しました(図3)。稚魚は各水域で発見されましたが、出現時期は自然水域より遅めで、毎年、9月頃に50尾程度の稚魚が採集されます(図2・3)。 今のところ産着卵は発見できていませんが、2007年に最下流・D水域の水草が繁茂する止水域でふ化直後の稚魚が発見されました。 |
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| 標識魚の再捕率は約50%程度を示し、イラストマー・タグは自然河川に近い環境においても、ギバチの標識手法として有効であることがわかりました。 標識魚の移動範囲は限られており、同じ水域から採集される個体の割合が高く(図4)、自然水域で報告されているような明瞭な産卵遡上は確認できませんが、上流の稚魚は降下する個体が多く確認されています。 |
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| また、採集されたギバチの体長と体重の関係をグラフにすると図5のようになり、雌よりも雄の方が大きく成長し、体長・体重の相関式も異なることが判明しました。 | |
| 以上のように本研究結果から、ギバチは水量や底質等、ある程度の条件が整えば人工河川による生息地復元が可能であることが示唆されました。なお、本研究は水産庁の野生水産生物多様性保全対策委託事業により実施され、その成果は2009年度の日本魚類学会において発表しました。 | |
生態試験池におけるギバチの取り上げ
