神奈川県水産技術センター 内水面試験場

希少魚「カマキリ」を多数発見

 相模川で希少魚種のカマキリ(アユカケ)が、水産総合研究所内水面試験場の調査で採集されました。平成7年に酒匂川で1尾が採集されていますが、相模川では1987年以来、記録がなく絶滅が危惧されていました。

1 カマキリ(アユカケ)について
 カマキリはカジカ科の日本特産種で、茨城県・秋田県以南の本州・四国・九州の河川中下流域に生息します。
魚や水生昆虫などを食べ25cm以上に成長します。秋に川を下り、河口付近で産卵します。稚魚は海で成長し、春に幼魚が群をなして河川を遡上します。
 堰等の河川構造物の増加や水質悪化ため全国的に減少しています。
カマキリはは遡上能力が特に弱く、階段式の魚道を乗り越えて遡上すことができません。
福井県では「アラレガコ」と呼ばれ天然記念物の指定を受けて保護され、また、美味なため一部の地域で特異な食文化があります。

2 県内の生息状況

神奈川県の記録は非常に少なく、相模川と酒匂川で少数あるに過ぎません。神奈川県版レッドデータブックでは、絶滅危惧種とされています。
最近の正式な記録は、昨年の酒匂川(小田原大橋付近)だけです。
当試験場では、今年も金目川等で本種を対象とした調査を行っていますが、現在のところ相模川以外からは採集されていません。
 県内の主要河川では河口付近に大きな堰があります。そのため、本種がその上流に遡上できず生息域が狭められ、生息数が激減してしまったと推定されます。相模川の漁業者の話では、過去には、試験場のある相模原市大島付近でも見られたそうです。

3 採集の経緯 

1996年6月17日、相模川の寒川取水堰下流において試験場職員3名で、覗き眼鏡と手網よる調査を行い、本種の1歳魚1尾を採集しました。これより前の6月8日にも、相模原市在住の方が、本種の稚魚1尾を採集しています。

 平成11年11月、相模川で希少種のカマキリ(アユカケ)が、内水面試験場の調査により多数発見されました。
 内水面試験場では、メダカやホトケドジョウ等希少になってしまった魚の調査をしていますが、この調査の中で今年は8cmほどの稚魚が既に45尾見つかっています。
相模川では昭和62年以降姿を見せず、絶滅が危惧されていましたが、平成8年に2尾発見され、その後も年に数尾程度見つかるだけでであったことを考えるとすごいことです。
 また、これまでの記録では寒川取水堰の下流でしか見つかっていませんでしたが、今年は初めて戸沢橋の上流で発見されました。
カマキリは泳ぐ力が弱いため従来の魚道を越えることが出来ませんでしたが、今春改修さられた寒川取水堰の魚道は、カマキリのような魚にも配慮した作りになっており、堰を越えることが出来たと思われます。内水面試験場では、採捕したカマキリを大きく育て、繁殖させ自然水域へ復元するための研究に取り組んでいます。河川で魚の調査をしていると、いろいろな魚の生態が観察されます。

新しく改修された、寒川取水堰のデニール型魚道
 

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