神奈川県水産技術センター 内水面試験場

魚の病気

ビブリオ病 Vibriosis
 かつてアユ養殖で最も恐れられていた病気だが、1990年以降発生が減少している。
原因菌はビブリオ・アングイラルム(Vibrio anguillarum)
症状は眼球、鰭基部、体表及び筋肉内の出血、体表の潰瘍、肛門の充血や拡張、腸管の炎症、脾臓や腎臓の腫大など。
オキソリン酸を有効成分とする治療薬の他、ワクチンが市販されている。

ビブリオ病に感染し、発病したアユの写真   ビブリオ病魚の筋肉内出血
 ビブリオ病に感染したアユ  ビブリオ病魚の筋肉内出血

エロモナス病 Motile aeromonad disease
 1978年に初めて養殖アユでの流行が確認された。水温20℃以上での発生が多いとされる。
原因菌はエロモナス・ハイドロフィラ(Aeromonas hydrophila)
症状は眼球の突出、皮下出血、肛門の発赤など。
本病の治療薬は市販されていない。餌止めや飼育環境の改善などで対応。


細菌性出血性腹水病 Bacterial hemorrhagic ascites
 1990年ごろから発生するようになった。冷水病対策の加温飼育や投薬中での発生が認められる。
原因菌はシュードモナス・プレコグロッシシダ(Pseudmonas plecoglossicida)
症状は肛門の拡張や出血、血液を含む多量の腹水など。
本病の治療薬は市販されていない。餌止めや飼育環境の改善などで対応。


細菌性冷水病 (BCWD) Bacterial cold-water disease
 1987年に初めて発生が確認された。その後全国にまん延し、養殖場のみならず河川においても発生して問題となっている。
原因菌はフラボバクテリウム・サイクロフィルム(Flavobacterium psychrophilum)
症状は体表の穴あき、体表や鰭基部の充血、顎や鰭の欠損、鰓や内臓の貧血など。
スルフィソゾールナトリウムを有効成分とする治療薬が市販されている。高水温飼育も有効とされる。放流アユの保菌検査や河川水温を考慮した放流など河川での発生を防ぐ取り組みが行われている。現在、ワクチンの実用化が進められている。

下顎の欠損  体表の穴あき
 下顎の欠損  体表の穴あき

 細菌性鰓病 (BGD)  Bacterial gill disease
1980年代以降、多発するようになった。冷水病など他の魚病との合併症も度々発生している。緩慢な遊泳状態から「ボケ」病と呼称されることもあった。
 原因菌はフラボバクテリウム・ブランキオフィルム(Flavobacterium branchiophilum)
症状は鰓のうっ血、腫張及び粘液過多。鰓を検鏡すると無数の長桿菌が観察される。
本病の治療薬は市販されていない。1%程度で1〜2時間の塩水浴が有効。併せて餌止めや飼育環境の改善などで対応。

鰓の検鏡で観察された長桿菌 鰓の検鏡で観察された長桿菌

異型細胞性鰓病 (ACGD)  Atypical cellular gill disease
 1990年代以降、細菌性鰓病(BGD)に類似の症状を示すものの、長桿菌が認められない原因不明の症例が発生し、新型ボケ病と呼ばれた。最近、病原体が判明し、名称が確定した。
原因ウイルスはプレコグロッサス・アルティベリス・ポックスウイルス(Plecoglossus altivelis Poxvirus :PaPV)
症状は細菌性鰓病(BGD)に類似する。DQ染色による検鏡などで鰓上皮組織に大型の異型細胞が観察される。
本病の治療薬は市販されていない。餌止め、0.5〜0.9%で12時間の塩水浴(処置中の水温上昇や水質悪化に注意)、酸素供給強化などで対応。

鰓のスタンプ標本をDQ染色して観察された大型の異型細胞(円内)  鰓のスタンプ標本をDQ染色して観察された大型の異型細胞(円内)

エドワジエラ・イクタルリ感染症 Edwardsiella ictaluri infection
 海外の養殖ナマズの一般的な魚病として知られているが、2007年、国内の3河川で初めて発生が確認された。夏季の渇水・高水温時に発生することが多い。なお、県内養殖場では未だ発生は確認されていない。
原因菌はエドワジエラ・イクタルリ(Edwardsiella ictaluri)
本病の治療薬は市販されていない。今後の発生動向に注意する必要がある。

エドワジエラ・イクタルリ感染症発病魚(内臓の発赤及び腹水が認められる) エドワジエラ・イクタルリ感染エドワジエラ・イクタルリ感染症発病魚

コイヘルペスウイルス病 KHV(Koi herpesvirus)
 コイヘルペスウイルス病は、コイ(マゴイとニシキゴイ)に発生する病気です。発病すると行動が緩慢になり、餌を食べなくなりますが、目立った外部症状は少なく、鰓の退色やびらん(ただれ)などが見られます。
幼魚から成魚までに発生し、死亡率が高い病気です。発病すると行動が緩慢になったり餌を食べなくなりますが、目立った外部症状は少なく、鰓の退色やびらん(ただれ)などが見られます。幼魚から成魚までに発生し、死亡率が高い病気です。
感染したコイとの接触や水を介して別のコイに感染しますが、コイ以外の魚やヒトには感染しません

ページのトップに戻る