内水面試験場業績発表大会 平成11年度
業績発表大会 > 平成11年度業績発表大会アユ冷水病ワクチン試験
[目的]
ワクチンの効果および持続性を向上させるアジュバンド(免疫増強剤)を添加する注射法により、アユ冷水病ワクチン投与を行い、その有効性を検討した。
[方法]
人工アユ(平均体重6.5g/尾)を100尾ずつ、200L容のポリエチレン製水槽に収容し、水温20℃で流水飼育を行った。
ワクチンの作製
冷水病菌FPC840を1回アユを用いて魚体通過後、改変サイトファーガ寒天培地で48時間の培養を3回行った。この菌体を生理食塩水に9.2×1010cfu/mLに懸濁し、0.3%となるようホルマリンを添加し不活化し、ワクチン液とした。
ワクチンの投与
不活化ワクチン区、アジュバンド711添加区、アジュバンド763添加区、無処理区を設定した。不活化ワクチン区はアユ1尾当たり、6.6×109cfu腹腔内に投与した。アジュバンド添加区はそれぞれワクチン液とアジュバンドを7対3の容量比で混合した後、アユへ50μL(菌数6.6×109cfu/尾)投与した。
攻撃試験
攻撃試験に用いた菌液は魚体通過を1回行った後、改変サイトファーガ培地で3回継代し、この菌体を生理食塩水に懸濁させ調整した。試験区を25尾ずつの3群に分け、この菌液50μLをアユ1尾当たり、2.4×105、2.4×106、2.4×107cfuの3段階菌量で背鰭基部の皮下接種した。接種後、2週間のへい死率を比較した。接種後、飼育水温を13℃に設定した。血中抗体価
ワクチン投与後、4週目にアユ血清を採取し、冷水病菌に対する凝集素価をマイクロタイター法により測定し、血中抗体価とした。
[結果]
累積へい死率では最低接種菌量の105cfuでも100%となった。しかし、累積へい死率の推移をみると、いずれの種菌量においても無処理区に比べてアジュバンド添加区を含むワクチン区のへい死率の上昇は遅くワクチン投与による延命効果が認められた(図1)。
ワクチン投与後4週目の血中抗体価では 各試験区の平均値は不活化ワクチン区が0、アジュバンド711添加区が3.2、アジュバンド763添加区は12でアジュバンドを添加することにより血中抗体価が上昇し、ワクチンにより免疫を獲得することが明らかとなった(表1)。
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