神奈川県水産技術センター 内水面試験場

内水面試験場業績発表大会 平成11年度

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全雌三倍体アユ養殖企業化試験


【目的】
 内水面試験場では、全雌産三倍体アユの企業化に向けた研究に取り組んでいる。今後、民間での養殖を実現するため、水産庁に「三倍体魚等の水産生物の利用要領」に基づく三倍体魚等の特性評価の申請を行ったところ、その確認を受けた。これにより民間業者による全雌三倍体アユ養殖が具体化の段階に入ってきた。そこで、全雌三倍体アユ種苗を養殖業者に試験的に配布し、養殖業者の飼育池における成長、生残を調査するとともに、販路開拓を行い、全雌三倍体アユ養殖の企業化を図ることを目的とした。

【方法】
 本県養殖業者に対し、平成11年7月に、全雌三倍体アユ種苗(平均体重45.2g、平均体長15.1cm)を合計4,000尾配布し、同年10月まで飼育管理を行った。
1月毎に全長,体長,体重及び生殖腺重量を測定した。水温、へい死魚数、給餌量は毎日記録した。

【結果】
 全長を図1、体重とGSIの変化を図2、生残尾数と水温の変化を図3に示す。10月までに、全長は25.1cm、体重は167gまで増加した。
GSIはほとんど変化がなかった。水温は当初21.5℃あったが、11月には16度に低下した。
生残尾数は、10月までは90%以上が生残し、良好な歩留りを示したが、11月に急激に落ち込み、80%を下回った。その後もへい死が続いたため、販売試験は中止した。
へい死の主な原因いついては、三倍体作出時、猛暑による高水温により倍数化処理時期が例年とずれたため、三倍体化していない個体が発生し、成熟雌が発生したこと。
使用したにせ雄の一部がにせ雄でなかったために成熟雄が発生したこと。さらに、水温下降時に全雌三倍体魚が体力の落ちた成熟魚から疾病の感染を受けたことなどが考えられた。
今後の対策として、倍数化処理時期を受精後の経過時間ではなく積算水温とすること、にせ雄作出に供する雌性発生魚の確実な作出を行うこと及びにせ雄の早期判定技術の開発などにより、全雌三倍体魚の確実な配布に取り組む。次年度は、販路が未開拓のままであるため、全雌三倍体魚の成魚配布を実施するとともに、販路及び販売名称の検討などを進めていく。

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平成11年度業績発表大会要旨

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