内水面試験場業績発表大会 平成11年度
業績発表大会 > 平成11年度業績発表大会神奈川県の川や湖に飛来するカワウ
【目的】
本県においてカワウは決して多い鳥ではなかった。しかし、平成元年頃から増えだし、平成6年頃から県内の河川に群れをなして飛来する姿が見られるようになってきた。
カワウは大型の魚食性水鳥のため、湖沼河川での増加は漁業関係者の取り組む有用魚種の増殖事業に影響を及ぼすことが懸念され、漁業者からは被害防除の要望が出されている。
カワウによる被害を推定するため、神奈川県におけるカワウの飛来の現状を把握すると共に摂餌生態等を調べた。
【方法】
県内の主要河川への飛来状況やねぐら(夜間集団で休むところ)等を確認するため、漁業関係者及び野鳥観察者からの情報を元に現地調査を行い、カワウの行動観察し並びに、飛来数を望遠鏡により調べた。また、県内で最大のカワウ休憩地である相模原沈殿池においては、平成11年12月から平成12年3月にかけて、飛来数及び飛来方向を時間別に観察し、カワウの飛来・帰巣方向を調査した。
【結果】
カワウの飛来場所は、県内の主要河川ほぼ全てと、相模湖、津久井湖、宮ヶ瀬湖、城山ダム湖等全ての人工湖および芦ノ湖で、冬場に多く見られた。また、河川構築物等により静穏域が人為的に造成された場所や人工湖等では、数は減るものの周年観察された。
相模川水系に飛来するカワウは、飛来距離(一日の行動半径約50km)と夕方帰る方向から東京方面からの飛来が多いと考えられた。しかし、相模川周辺に留まるカワウが磯部堰や寒川堰等で観察されたほか、平成12年1月には津久井湖や芦ノ湖で100羽を越えるねぐらが形成された。平成12年2月には幼鳥を主体とする500羽を越える群が津久井湖で夜間休むことが観察された。
カワウの飛来には季節変動が見られ、冬場の11月から2月が多く、5〜8月は少ない傾向が見られた。
![]() 相模原沈殿池におけるカワウ飛来数の推移 |
