神奈川県水産技術センター 内水面試験場

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ギバチ Pseudobagurs aurantiacus ギギ科
ギバチ成魚
レッドリスト 県カテゴリ:絶滅危惧TA類 国カテゴリ:絶滅危惧U類
【分 布】神奈川県・富山県以北の本州に分布します。

【形 態】体は細長く、うろこはありません。
上あごと下あごにそれぞれ2対のヒゲがあります。
胸びれの棘には、ノコギリのようなトゲがあります。
背びれと胸びれにはトゲがあるので取扱いには注意が必要です。
尾びれの切れ込みが少なく、近縁種のネコギギやギギと見分けられます。
体は、黒ないし暗褐色で、不規則な斑紋があります。

【生 態】水のきれいな川の上〜中流域に生息し、全長25p前後に成長します。
雄は雌に比べるとやや細身です。
産卵期は6〜8月で、石の下や水生植物等に卵を産み付けます
夜行性で、ユスリカの幼虫や水生昆虫などを食べます。
昼間は石の陰などにじっとしています。

【その他】
神奈川県下のギバチはまさに絶滅寸前です。
昔は中村川、相模川、鶴見川等から記録がありますが、最近の確実な生息地は極めて限られた水域だけです。胸びれのトゲと付け根の骨をすりあわせて、”ギ−ギ−”という音を出します。
”ギーギー”鳴く”蜂”(トゲに刺されるといたい)から”ギバチ”と言う名が付いた?


 本種は、環境庁レッドリストでは絶滅危惧U類、県レッドデータブックでは絶滅危惧種Eとされています。試験場の調査では、相模川水系の支流と、鶴見川水系の支流のわずか2箇所から採集されただけです。
 相模川水系からの記録は実に15年も前にさかのぼり、貴重な発見です。しかし、採集水域は狭い範囲で、個体数も少ないものでした。この支流は、近年、雑排水によって水質が悪化すると同時に、河川改修でコンクリート護岸箇所が増えてきました。さらに、コイが定期的に放流され、在来種を脅かしています。その中で、ギバチが生息していた水域は、周辺から豊富な湧水が流入し、水質が良好に保たれ、河川改修の規模も小さい貴重な水域です。
  このように全国分布の南限に位置する貴重な神奈川県産ギバチは、非常に危うい状況でです。幸い、試験場では、全国で初めて本種の人工増殖技術の開発に成功し、種苗生産が可能になりました。今後は水系毎にギバチを増殖させ、生息地の復元を図る計画です。


 ギバチは、水質汚濁や河川改修に非常に弱い魚です。湧き水を絶やさず、石や水草等隠れ家となる淵等を残すことが必要です。

幼魚  幼魚の頃は、昼間、群れていることが多い。

幼魚 ギバチの幼魚

ぎばち
 ギバチふ化観察記録 

生態試験池におけるギバチの繁殖と移動

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