釣れぬなら、調べてみよう人工産アユ
アユの生活史 > アユの放流近年、種苗放流をしているのにもかかわらず、遡上量の少ない年は漁獲状況が悪いことから、漁業関係者や釣り人から神奈川県産人工種苗(以後「人工産アユ」)の再捕率を疑問視する声が上がっていました。
そこで、神奈川県水産技術センター内水面試験場(以後「試験場」)では、人工産アユの再捕率向上を目的として漁業者と一緒に調査を開始しました。
事前の協議会では、人工産アユが釣れない原因として、「サイズが小さい」、「放流時期の河川水温が低い」との意見がありました。この疑問を検証するため、養成を1ヶ月程度延長して5月に放流を行い、4月に放流する方法(以後「従来型」)と比較しました。また、従来型と区別できるように22,000尾に脂鰭の切除による標識(以後「標識魚」)をつけました(写真)。
| 漁協同組合員による標識付け作業 標識魚は、中津川の第一堤防と角田大橋、小鮎川の小鮎橋にそれぞれ三分の一ずつ放流して、放流1週間後から、5月中に3回にわたり、再捕調査を行いました。 調査の結果、全ての地点で、標識魚と従来型が再捕されました。しかし、中津川では、標識魚は従来型に比べ再捕率がやや高い程度で、小鮎川では標識魚の再捕率は高いのですが、これは標識魚が群れで行動していたためと考えられました。 |
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図 人工産アユの再捕率(%) 今回放流した標識魚は従来型(3g)よりも2〜3g大きい程度ですが、中津川では、相模川第二漁業協同組合で20g程度に養成した人工産アユの再捕率が高く、種苗の大型化による再捕率の向上は可能と考えられました。ただし、アユ種苗生産施設で大型魚を養成するには、生産尾数を減らす必要がありますので、より慎重に検討しなければなりません。 今回の調査では、人工産アユの放流後の動態について多くの知見を得られました。今後も調査を継続し、漁業者とともに人工産アユの再捕率を向上させたいと考えています。 |
漁協だより H20
