神奈川県水産技術センター 内水面試験場

アユの産卵場調査

> アユの生活史   

産卵場
 成熟した親魚は、出水のたびに川を下り、産卵場にたどり着きます。産卵場は、中・下流にある瀬で、淵やトロ場に流れ込むようなところです。
川の流れが緩やかになる最後の瀬に良く瀬付きます。
 産卵期のアユは周囲から際だった水の音や動きのあるところにに誘引されやすく川の流れの合流点や中州、川のだこう部、橋の前後、床止めの周辺など、流れの状況が周辺とは際だったところに集まります。
 このような場所には、流れが速く、白く波立つようなところがあります。産卵の前には、雌を複数の雄が追いかける行動がよく見られ。”瀬付き”と呼ばれます。しかし、河床(川の底の状況)が産卵に適していないと、たとえ瀬付いても産卵はせず、また別の場所に移動します。

産卵場 流れが速く、浅くて白く波立つようなところで産卵します
 卵が見つかったところの川底 産卵に適した河床は砂れき底です。しかも”浮き石”とよばれる、足で踏むと柔らかい河床であることが必要です。
 歩くと、川底に足が沈み、小石がすぐに流れるようなところで卵が見つかります。
 長径10〜20cmぐらいの石と、小さな砂利が混じるような場所で卵がよく発見されます。
 1cm以下の小さな石に良く卵が付いています。
 流速は緩やかなところではなく、比較的早いところでも産みます。
 大きなアユは水深があり流れの速いところで産卵し、小さなアユは浅く、流れの緩いところで産む傾向があります。 
 干上がる前は産卵場だったところ  泥が堆積しているようなところでは産みません。
仮に産卵後、水量が減少し、流れが緩くなって泥が石の上にかぶるようなことがあると、残念ながら卵は死んでしまいます。
 このため、流れの速い、急勾配の河川では産卵場は河口付近に形成され、勾配が少なく、流れの緩やかな河川では比較的河口から離れたところでも産卵します。
 底質  アユの卵アユの卵を見つけるために、産卵場の石をすくったところ。
この中に、300個以上の卵がありました。

 相模川では、あゆみ橋周辺、小田急線鉄橋の下・床止め下流、相模大堰下流、戸沢橋周辺、神川橋周辺、寒川取水堰下流等に大きな産卵場が形成されています。

産 卵
 夕方、産卵場には瀬付きと呼ばれる産卵前行動が見られます。
たくさんのサビたアユが、群れで産卵場付近を移動しています。
この集団は雄がほとんどです。
 日が暮れた頃に、雌が産卵場に近づくと、それを取り囲むように雄が群がります。
基本的には雌雄1対で産卵しますが、サケやマス類のように産卵の瞬間にも多数の雄が取り囲んでいることが観察されています。
1尾の産卵は、一瞬ですが、雌が入れ替わり産卵場に来るため、夜中まで続くことがあります。
  


アユ卵産卵は夜間行われ、体長15cmで3万粒ほどの卵を産みます。
卵は薄い黄色で直径1mm、粘着性があり、小石や1cmほどの砂などに付きます。


「琵琶湖の人口河川」、石田力三、1972、さかな第29号 東海区水産研究所 から一部引用

アユの産卵 アユの産卵場 平成23年度の産卵場造成

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